研究課題/領域番号 |
17K04809
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
塩沢 泰子 文教大学, 国際学部, 教授 (90265504)
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研究分担者 |
草薙 優加 鶴見大学, 文学部, 教授 (50350335)
齋藤 安以子 摂南大学, 外国語学部, 教授 (60288967)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ドラマ手法 / 多文化共生 / translanguaging / 人形劇 / ワークショップ / 英語教育 |
研究実績の概要 |
9月に2泊3日で英語ドラマワークショップ(WS)合宿を4つの大学の学生24名を対象に実施した。今回は人形劇の専門家を招聘し、アートとドラマ手法を融合させる方法ならびに英語コミュニケーション力ならびにリーダーシップ養成への効果を追究した。WSの流れはペアならびにグループでのインプロ活動で心身をほぐした後、自己開示の活動を行い、5~6名の小グループで困難を乗り越えた自己体験をもとに人形劇を作り、英語で発表しあうというものである。今回の講師は日本語を使い、学生ならびに筆者らが通訳する形で進行したが、結果的に学生の英語力にかかわらず理解や協力が深まり、WSへの満足度が高まった。また、参加者には台湾の大学生も4名含まれており、学生同士での通訳活動も盛んに行われた。 このWSの前後にアンケートを実施し(30項目、5段階のリカーとスケール)、社会人基礎力ならびに英語コミュニケーション力に対する自己評価の変化を分析した。また、10分間の英語による自由作文も実施した。その結果、質問項目のほとんどでWS後の方が高くなり、30項目のうち12項目が優位であった。また、事後に参加者に半構造的インタビューを実施し、約1時間にわたりWSの効果を詳細に分析した。その結果、前年度と今年度の2回のWS両方に参加体験のある学生から、今回の日本語を使ったファシリテーションの方がわかりやすく、意見を出しやすかったこと、人形制作、というアート体験そのものが創造力と想像力を刺激し、自由に自己表現ができたこと、また作業を通して自然に他のメンバーと関われたことなどの指摘があった。これは英語教育で昨今注目されている"Translanguaging"という母国語等の使用を妨げない教育手法の効用を示唆するものである。このWSの概要と分析結果については国際英語表現学会(2020.2.8)で口頭発表した。
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