研究課題/領域番号 |
17K04822
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
奥野 浩之 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (80552067)
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研究分担者 |
田中 希穂 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (40399043)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 憲法学習 / 分野横断型学習 / コンテンツ設計 / eラーニング / 反転学習 / 学習評価 / 社会科教育 / 主権者教育 |
研究実績の概要 |
2019年度は、中学校社会科歴史的分野と公民的分野の教科書・教授用指導書の分析を通して、経済的自由権の人権学習で活用されてきた憲法判例について歴史的文脈と政治的文脈の両面から分析し、経済的自由権の人権学習に最適と思われる憲法判例を精選した。本プログラムのコンテンツ設計については、精選した憲法判例を基にして、経済的自由権のコンテンツを設計した。公民的分野の教科書でも扱われている薬局距離制限事件や小売市場距離制限事件においても、歴史的分野の学習を振り返り、当時の歴史的背景を理解することで、経済的自由権についてより具体的に学習できるコンテンツになるよう設計した。 2019年9月に発表した学位論文の中では、第5章「ICTを活用した憲法学習プログラム」において、本研究で開発する憲法学習プログラムの意義と学習管理システムに搭載するコンテンツ設計の基本方針を明らかにすることができた。また、本プログラムの試験的運用と効果の検証について、2020年2月に「eラーニングを活用した反転型社会科憲法学習プログラムの開発」(『同志社大学教職課程年報』第9号)と題する論文を発表した。ここでは、本プログラムの有効性を明らかにするとともに、学習管理システムに搭載する本プログラムの評価機能に関する方向性を示すことができた。加えて、第27回日本グローバル教育学会全国研究大会、第52回全国中学校社会科教育研究大会、日本シティズンシップ教育学会設立総会に参加し、研究課題に関連する最新の知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度前半は、研究代表者が学位論文を執筆していたため、コンテンツ設計に十分な時間を割くことができなかった。また、年度末には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、予定していた専門業者との打ち合わせを行うことができなかった。そのため、コンテンツのeラーニング化とシステム開発について、専門業者に委託することができていない。以上の理由から、本研究課題の進捗状況については、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題を推進するため、引き続き2020年度は憲法学習プログラムのコンテンツ設計に取り組み、それらをeラーニング化していく予定である。また、コンテンツを搭載するための学習管理システムの構築に向けて、専門業者との打ち合わせを重ねていく予定である。2021年度は、研究全体をまとめ、平等権、精神的自由権、経済的自由権、社会権に関する学習コンテンツと学習評価機能を搭載した学習管理システムを運用する予定である。さらに、それらの研究成果を学会で発表し、論文として投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コンテンツのeラーニング化と学習管理システムの構築については、2019年度より専門業者へ委託する予定であったが、2019年度は「現在までの進捗状況」で記したように専門業者へ委託することができていない。また、年度末に参加を予定していた研究会についても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で参加することができなかった。それらの理由から次年度使用額が生じている。 次年度使用額については、2020年度と2021年度の2か年にわたって、コンテンツのeラーニング化と学習管理システムの構築を専門業者へ委託する費用として計上する予定である。さらに、今後、eラーニングコンテンツ製作用ソフトのライセンス取得費やサーバーのレンタル料等想定外の出費が予想されるため、それらの費用にも充てる予定である。
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