研究課題/領域番号 |
17K04825
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
戸川 晃子 神戸常盤大学, 教育学部こども教育学科, 講師 (00610081)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ピアノ教授法 / 音符の言語化 / リズム習得 / LMS / 保育士養成 / 教員養成 / ピアノ |
研究実績の概要 |
本研究では、保育士、教員養成校におけるピアノ学習者を対象に、「ピアノを用いない」練習方法の効果を高めるために、LMS(学習支援システムLearning Management System)を活用した「音符の言語化」によるピアノ教授法構築を目指している。本研究における「音符の言語化」とは、1つの音符に1文字をつけ音型を言葉で表すこととしている。今年度は、保育士、教員養成校の学生である協力者らが考案した「音符の言語化」を募集し、専門家によって正しいリズムで発音ができることばを選定した。次にそれらを協力者らにフィードバックし、そのことばの発音に合わせての手拍子が実際に正しいリズムで表現されているか調査を行った。これらはすべてLMS上で行った。調査の結果、保育士、教員養成校の学生が考えたことばによって、リズムを習得できる可能性が高いことがわかった。この結果は論文にまとめた。しかし、調査結果を精査する段階で、本研究における「音符の言語化」の定義である「1つの音符に1文字をつける」は、正確ではないと考えられた。本研究においては、ことばの発音と同じタイミングで手拍子をした際、すべての人が同じリズムになるべきである。しかし例えば「りんご」を見て「りん・ご」と2回手拍子するか「り・ん・ご」と3回手拍子するかによってリズムが変わる。よって、「1つの音符に1文字」という定義については今後見直す必要がある。これについても報告を投稿した。 さらに「ピアノを用いない」練習として楽譜を見ることによるピアノ上達の効果を定量的に解析し、論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍においてオンライン授業でスタートしたため、初心者である入学生に対しての調査を行えなかったが、LMSを活用しての協力を得ることができ、音符の言語化の収集、及び調査がスムーズに進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
まず、調査を通じて認識を得た「音符の言語化」の定義について、精査したい。 今後も続けていく「音符の言語化」はLMSを活用してリアルタイムで投票するなど新たな試みで調査を進めたいと考えている。しかし、コロナ禍において遠隔授業、対面授業が交錯しており、対面での調査の日程などの研究計画を立てることが難しいため、申請時に計画していた方法を再考し、より効率的に調査を進めることを考えている。また、音符からことばにするという工程を反転させ、子どもが馴染み易いという考えから、絵本で多く使われていることばを抽出し、それらによるリズムパターンを作成し、教則本の同一リズムパターンに当てはめ、リズム習得の可能性を調べる準備をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年9月末から2019年3月31日まで休職しており、その間研究費が発生しておらず、次年度使用額が生じている。また、今年度は学会等がオンラインでの開催となり、旅費が発生していない。しかし、オンラインでの参加がしやすくなったこともあり、参加費等の支出を予定している。また、出張による情報収集が難しいため、通信費、郵送費、文献調査のための文献収集における使用を計画している。
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