研究課題/領域番号 |
17K04825
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
戸川 晃子 神戸常盤大学, 教育学部こども教育学科, 講師 (00610081)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 保育士・教員養成校 / ピアノ教授法 / リズム習得 / ピアノを用いない / ピアノ独習法 / 音符の言語化 |
研究実績の概要 |
本研究では、保育士、教員養成校におけるピアノ学習者を対象に、「ピアノを用いない」練習方法の効果を高めるために、LMS(学習支援システムLearning Management System)を活用した「音符の言語化」によるピアノ教授法構築を目指している。保育士・教員養成校の学生は子どもの保育、教育において必要なピアノ技術習得を求められいるが、カリキュラムの制約等で短期間でその技術を習得しなければならない。よって、ピアノ学習者が効率的かつ効果的に演奏技術を上達することのできる教授法が必要である。 本研究における「音符の言語化」とは、「1つの音符に1文字」をつけ音型をことばで表すこととしていた。しかし、これまでの研究において「1つの音符に1文字をつける」という定義がリズムを再現する際に必ずしも正確ではないことがわかった。この研究結果を踏まえ、2022年度は、2021年度に抽出した「ことばのリズムパターン」を活用した「音符の言語化」によるリズム習得の可能性を調査した。その結果、楽譜だけではリズムを理解できなかった97%の研究協力者が、提示された「ことばのリズムパターン」にあてはまることばを考え、それを活用することでリズムを理解することができた。また、すべての研究協力者が「ことばのリズムパターン」にあてはめたことばを活用することは「リズム習得に有効」であると考えていることが明らかになった。つまり、「音符の言語化」がリズム習得のための指導法、および独習法の基盤となりうると考えられる。これらの調査結果については論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画になかった「音符の言語化」の定義の見直しが必要となった。「ことばのパターン」を抽出し、今年度はそのパターンを活用した調査を行ったため、遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
保育士・教員養成校のピアノ学習者の環境についても最新の調査を行い、「音符の言語化」によるリズム独習法が必要かつピアノ学習者に有効であることを調べる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により当初予定の計画が遂行できず、次年度使用額を生じた。今後調査、論文投稿、発表等で使用する予定である。
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