研究課題/領域番号 |
17K04828
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
高木 正史 別府大学, 国際経営学部, 准教授 (00352419)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高大連携 / 会計 / 会計学 / 商業科教育学 / 学習指導要領 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,学習指導要領「商業」に基づいた会計科目教育を「高大連携」の視点から捉え,より良い教員養成システムの開発を高校側・大学側の双方から行うことを目的としている。 上記目的の達成のため,平成29年度においては,主としての先行研究のレビューを行った。教科教育に関する先行研究は少なくないものの,商業科教育に関するものは非常に少ない。その中でも本年度は重要と思われる先行研究(図書)をまずは収集し,分析を試みた。ただし,その中には研究内容と密接に関連している,「高大連携」と「会計科目教育」との関係を「教員養成」の視点から明確かつ体系的に述べている最新の文献は見当たらなかった。むろん,今後も継続的に先行研究のレビューを実施していかなければならないが,現時点においては,この点が本研究の新規性のある部分であると考えられる。このようなレビューは図書がメインであったため,引き続き研究論文のレビューを行っていかなければならない。 平成29年度は先行研究のレビューのみならず,学会で教員養成に関する他大学における取り組みを学ぶため,教育系学会における研究報告に参加した。しかし,そこでは「商業」に係る事例紹介は行われなかった。そのため,教育学系の学会において,本研究テーマに関連した報告を行う必要性があると思われる。さらに,参加した会計学に関する学会では高大連携に関して研究代表者の研究趣旨に比較的近いと思われる報告も実施されていた。ただし,そこでは,ある大学と,ある高等学校との専門教育の連携に焦点が絞られており,教員養成システムを意図する本研究とは異なるものであった。これらの先行研究のレビューや学会における研究動向調査により,平成30年度から本格的に実践される高大連携を意識した会計科目教授方法の研究の下準備を行うことができたことは明らかであり,本研究の新規性がより明白になったといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成29年度は会計学に関する本研究テーマとは異なる他の研究テーマの論文執筆に大幅な時間を要したことに起因し,本研究テーマにおける研究が大幅に遅延した。さらに,同年度は,先行研究のレビューと学会における研究動向調査が主たる本研究テーマにおける研究活動であったため,それらの結果を受けての論文執筆などを実施することができなかった。それゆえに,平成30年度からはこのような遅延を取り戻すための計画を再度見直すとともに,進捗を改善していく。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度・平成31年度は本研究の重要な研究手法であるアンケート調査に入る。サンプルは,研究代表者の所在する県における高校で「商業」を担当する教員を予定している。アンケート調査から得られた研究成果により,高校で教鞭を取る高校教員の会計学関連科目教育に際しての問題点を洗い出す。その結果を学会で報告するか論文として取り纏める。研究結果は高校教員に対してフィードバックさせる。最終的には平成30年度から31年度にかけての研究の総括を,論文等に取りまとめる予定である。さらに,研究成果は,高校教員との共有を図図り,高大連携の視点から,効果的な高校サイドにおける教科教育法開発と大学サイドにおける商業科教員養成手法の双方の発展を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度にアンケート調査を実施する予定であったが,実施することができなかったことが,大きな要因である。そのため,平成30年度においてこれを実施する。
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