研究課題/領域番号 |
17K04831
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤田 卓郎 福井工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 講師 (70735125)
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研究分担者 |
宮本 友紀 福井工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 准教授 (40546256)
相場 大佑 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 助教 (50735123)
山田 哲也 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 講師 (80644541)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ブレンディッド・ラーニング / 教材開発 / 実態調査 / 実践研究 / 高専 / 一般科目教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、工業高等専門学校(以下、高専)の学習者を対象とした一般科目教育におけるブレンディッド・ラーニングのための教材を開発し、指導効果の検証を行うことで、高専におけるブレンディッド・ラーニングのあり方を示すものである。本研究の目的に鑑み、平成29年度は以下の3点を実施した。 1点目に、ブレンディッド・ラーニングにおける先行研究の検討を行い、ブレンディッド・ラーニングを行う利点や留意点、事例について検討した。先行研究から、ブレンディッド・ラーニングを行う利点には(1)教育の質の向上、(2)アクセスや学習の柔軟性の向上、(3)費用対効果の向上があげられるということ、ブレンディッド・ラーニングのタイプには、知識提示型、練習型、協同学習型、交流型があることを整理して提示した。 2点目に、先行研究を踏まえ、市販のICT教材を活用して授業に取り組んだ学習者を対象にeラーニングに対する実態調査を実施した。高専の3年生および4年生を対象とし、eラーニングの指向性について量的、質的な観点からデータを収集した。 3点目に、先行研究を整理して得られた知見を踏まえながら、ウェブ・ベースの学習教材の開発を開始した。数学においては、STACKを活用した問題のプロトタイプを作成し、その利用可能性や利便性について研究メンバーで議論した。英語においては、工業英語を対象とした動画教材およびウェブ・ベースの学習教材を開発し、LMS上にまとめ、提示した。作成したウェブ・ベース学習教材を用いて、高専3年生を対象に、その効果や問題点について、実践研究の手法を用いて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の実施計画は、(1)理論的枠組みの整理・実践事例の調査、(2)実態調査のための質問紙作成、(3)実態調査開始、(4)課題・実態の分析・検討であった。これらの点について、次に示す3点を本年度の研究成果として挙げる。 (1)ブレンディッド・ラーニングの定義、理論的特徴、利点、留意点について先行研究を整理した。また、ブレンディッド・ラーニングを実践した先行研究を検討し、そのタイプを整理した。(2)先行研究をもとに質問紙を作成し、市販のICT教材を活用してブレンディッド・ラーニングを行った学習者を対象にeラーニングに関する実態調査を行った。(3)ブレンディッド・ラーニング実施のための英語、数学の教材の作成を行った。数学においては、STACKを活用した問題のプロトタイプをもとに、その活用可能性について研究メンバーで議論し、精緻化を図った。英語においては、反転授業実施のための動画教材やウェブ・ベースの学習のための環境をLMS上で構築し、高専3年生を対象に試行した。これらの点を踏まえ、当初に予定した研究計画は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ブレンディッド・ラーニングのための教材開発を引き続き行いながら、開発した教材の試行を行う。具体的には、(1)数学のウェブ・ベースの教材開発、学習環境の構築、教材の試行(2)意見・考えを重視した英語授業におけるブレンディッド・ラーニングのための教材の作成、学習環境の構築、教材の試行を行う。また、平成29年度に実施した、工業英語を対象とした教材の開発、試行も継続して行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、研究の進捗状況に合わせ、教材作成用のパソコンの購入をタブレット型コンピュータの購入に変更した。また、データ入力のための謝金を本年度は使用しなかった。これらの予算は、平成30年度に、英語と数学におけるブレンディッド・ラーニングの教材作成に必要な機材や資料の購入、および、29年度に行った研究成果の発表のための旅費として使用する予定である。
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