令和3年度に実施した研究は以下のとおりである。 令和2年度までに実施した研究成果及び安藤(2001)を参考に、自立活動の個別の指導計画作成に関する現職研修(OJTを中心に)を実施し、学級担任等との連携への影響について検討した。対象は、上越地域の小学校の通級担当教員及び通常の学級の担任教師である。自立活動の理念に関する研修、自立活動の理念に基づく個別の指導計画作成と活用の実際に取り組んだ。その成果は、日本特殊教育学会第59回大会自主シンポジウムにおいて発表した(タイトル:「小学校における自立活動の個別の指導計画の意義」)。また、児童発達支援事業所内の現職研修において、自立活動の個別の指導計画作成手続きを参考に発達障害や言語障害のある幼児(就学後は通級による指導の対象となることが想定されている)を対象とした個別支援計画作成を実施した。その結果、当該幼児の指導担当者以外の指導者においても個別支援計画作成の意義に関する理解が進み、児童発達支援事業所内の協働性が高まるという結果が得られた。本実践については、上越教育大学研究紀要第42巻に投稿中である。 その他、令和2年度までに実施した研究成果及び安藤(2001)を参考に、コミュニケーションに課題のある児童の指導について学校支援を実施した。言語障害通級指導教室への通級が検討された児童であったが、自立活動の個別の指導計画に基づくPCCAをケース会議の場に位置づけて支援を行うことにより、在籍学級担任を中心とした在籍学級での支援が効果的に行われ、結果的に対象児童の障害の状態が改善した。これらの事例から、本研究の成果を確認することができた。
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