研究課題/領域番号 |
17K04848
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
城間 祥子 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30457379)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 総合的な学習の時間 / 伝統・文化の教育 / 状況的学習論 / パフォーマンス心理学 |
研究実績の概要 |
本研究では、総合的な学習の時間における「認識論的な学び」とともに「存在論的な学び」の過程を明らかにし、両者の関係について検討する。伝統や文化の学習活動に焦点を当て、学習内容(学習者がどのような知識や技能を学んでいるか)から認識論的な学びの過程をとらえる。また、学習対象の伝統や文化を維持・継承しているコミュニティに対して自己をどのように位置づけるか(文化的アイデンティティ)という観点から、存在論的な学びの過程を明らかにする。 今年度は、伝統・文化の教育実践で扱われる学習内容の事例分析に引き続き取り組むとともに、教科における伝統・文化の教育実践についても参与観察を行い、総合的な学習の時間における学びとの比較を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、計画に沿って主として実践共同体への参加過程に焦点を当て、存在論的な学びについて検討した。
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今後の研究の推進方策 |
3年目は、これまでに収集した文献資料や参与観察データ、インタビューデータ等を用いて、学習内容とアイデンティティ構築の関係について検討する。また、既存のコミュニティの再生産が強調されがちな伝統や文化の教育において、「今の自分ではない誰かを演じることで発達する」というパフォーマンス心理学の観点を取り入れることの意義を明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学院生に調査補助をしてもらうための謝金を計上していたが、旅費と謝金を同時に支出することができないという理由で、謝金の支出が許可されなかった。遠隔地での観察調査の場合、旅費と謝金を同時に支出できないとデータ収集に支障をきたすため、次年度は所属機関との調整が必要である。また、データの書き起こし作業を外注したことで、人件費・謝金の支出が抑えられた。さらに、調査や分析に必要な消耗品を購入する予定であったが、使用機材の状態や研究の進捗状況を考慮して、必要な物品の購入を次年度に実施することとした。
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