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2018 年度 実施状況報告書

中学校時代の職場体験やキャリア教育が成人期の進路選択や職業生活等に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 17K04849
研究機関上越教育大学

研究代表者

山田 智之  上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (00758584)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード職場体験 / キャリア教育 / 中学校 / 大学生 / 教職員 / 職業人 / 職業観 / 地元志向
研究実績の概要

2年目は,収集した全国の大学生1000名のデータについて分析をすすめ,職業観が地元志向に与える影響の仕方が、東京・千葉・埼玉・神奈川の中学校に在籍した者と、それ以外の地域の中学校に在籍した者で異なることが明らかになった。東京・千葉・埼玉・神奈川の中学校に在籍した者は、職業観の中の経営参画因子が、地元での労働志向を高め、それ以外の地域の中学校に在籍した者は、職業観の中の社会への貢献因子が地元での労働志向を高めることが明らかになった。また,東京・千葉・埼玉・神奈川の中学校に在籍した者は、職業観の中の経営参画因子,余暇因子が地元を離れることへの不安を高め,それ以外の地域の中学校に在籍した者は、職業観の中の昇進因子が地元を離れることへの不安を高め、職業観の中の収入因子が地元を離れることへの不安を抑制することが明らかになった。この結果については、日本心理学会第82回大会(東北大学)において、「大学生の職業観が地元志向に与える影響」としてポスター発表を行った。他方,中学校時代の職場体験による進路への影響, 夢や希望への影響を大学生・大学院生が自認している場合において, 職業観(家族因子,社会への貢献因子,経営参画因子,自己実現因子等)に影響を与えていたことが明らかになり,大学生・大学院生の職業観の形成において,中学校での職場体験の影響は小さくないことが示唆された。この結果については、日本キャリア教育学会第40回研究大会(早稻田大学)において、「中学校での職場体験が大学生の職業観に与える影響」として口頭発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1年目行った職場体験やキャリア教育の教育課程上の位置づけや関連する取り組みに関する中学校の教員を対象とした面接調査については、2年目も継続し、北陸地域、関東地域の27校の中学校の校長、副校長、教員等を対象に調査を行ったところ,集められたテキストデータが統計的に飽和状態になり,組織としての視点からみたデータが充分に集められた。このことから,個々の教員の視点からみた職場体験やキャリア教育の捉え方を把握するために教職員(校長、副校長、教員等)を対象としたキャリア教育に関する質問紙法による意識調査を計画に加え実施し,100名のデータが集まった。当該調査については,3年目にも継続して行い、合計で300名程度のデータを収集する予定である。
また,1年目に収集した全国の大学生1000名について分析をすすめ,職業観が地元志向に与える影響の仕方が、東京・千葉・埼玉・神奈川の中学校に在籍した者と、それ以外の地域の中学校に在籍した者で異なることが明らかになった。他方,中学校時代の職場体験による進路への影響, 夢や希望への影響を大学生・大学院生が自認している場合において, 職業観に影響を与えていたことが明らかになり,大学生・大学院生の職業観の形成において,中学校での職場体験の効果は小さくないことが示唆された。
また,2年目に予定していた、職業人調査については,職業人100名まで集まったが,十分なデータ数でないことから,3年目にも継続し行う予定である。
3年目に予定をしている中学生を職場体験で受け入れている事業所への面接調査については、2年次に10社程度まで前倒しで実施した。3年目にも調査を継続し、事業所側の視点での職場体験の捉え方について検討を進める予定である。
以上のことから、研究計画に若干の遅れが生じていることから,やや遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

1 1年目行った職場体験やキャリア教育の教育課程上の位置づけや関連する取り組みに関する中学校の教員を対象とした面接調査によって集められたテキストデータが統計的に飽和状態になり,組織としての視点からみたデータが充分に集められた。このことから,個々の教員の視点からみた職場体験やキャリア教育の捉え方を把握するために、質問紙法による教職員を対象とした調査を計画に加え実施し,約100名のデータが現在集まっている。当該調査については,3年目にも継続して行い、合計で300名程度のデータを収集する予定である。
2 2年目については、大学生の職業観、キャリア意思決定、地元志向等に中学校時代の職場体験が与えた影響を調査するためにアンケート調査を実施し,約1000名のデータが集まった。そして,職場体験の効果について検討を進め、研究成果を学会などで公表した。また、職業人を対象とした調査については,約100名まで集まったが,十分なデータ数でないことから,3年目にも継続し行う。
3 3年目に予定をしている中学生を職場体験で受け入れている事業所への面接調査については、2年目に前倒しで実施し,現在,10社程度まで行ったところである。3年目にも調査を継続し、事業所側の視点での職場体験の捉え方について検討を進める予定である。また、本年度は,今までの研究を総括し,報告書にまとめていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

分析ソフトの保守契約の更新・購入、調査のための交通費、調査のための郵送費、研究成果発表のための旅費,データ整理のための人件費,研究報告書の印刷等への使用を予定している。
分析ソフトについては、8月~11月に追加の調査及びデータ整理のための人件費を使用する予定である。また、9~10月頃に分析ソフトの保守契約を更新、9月に日本心理学会、日本教育心理学会での本研究の成果の一端を発表する。また、10月以降には報告書をまとめ2020年2~3月に完成予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 大学生の職業観が地元志向に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      山田智之
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会
  • [学会発表] 中学校での職場体験が大学生の職業観に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      山田智之
    • 学会等名
      日本キャリア教育学会第40回研究大会

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公開日: 2019-12-27  

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