研究課題/領域番号 |
17K04855
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
志民 一成 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (50320784)
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研究分担者 |
長谷川 慎 静岡大学, 教育学部, 准教授 (00466971)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教材開発 / 伝統的な歌唱 / 歌唱モデル / 音楽授業 |
研究実績の概要 |
静岡県静岡市に伝わる民謡「駿河地搗唄」について、民謡の稽古を受けている中学生による歌唱を収録した音声について分析を行った。それとともに、複数の小学校の授業においてその音源を範唱として使用し、歌唱指導実践を行った。その結果、範唱の声の使い方やコブシに着目しながら、それらを模倣して歌おうとする児童の様子が見られた。 また、小・中学生や高等学校の生徒に対する民謡等の指導の実態を調査するため、昨年度に引き続き、富山県の五箇山地方と沖縄県において民謡指導についてフィールドワークやインタビュー等を実施した。 さらには、地歌箏曲演奏家2名を対象にインタビュー調査を行い、実演家が初学者に求める歌唱技能について情報収集を行った。すでに実施済みの長唄唄方へのインタビュー内容と併せて考察を行った。 これらの研究成果を論文としてまとめ、『静岡大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 第26号』に掲載した。 また、能楽についての歌唱指導の示唆を得るために、研究分担者及びその指導する大学生に対して能楽師による指導助言を得た。それをもとに中学校での授業プランを考え、中学生への能「羽衣」の指導を実施した。授業終了後、能楽師からの講評をいただき、大学生が考えた授業モデルの総括を行った。これらの活動を通して、能楽の歌唱モデルの構築についての示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに収録済であった、民謡の稽古を受けている子どもの音声データの音響分析を行うことができた。また、初年度の調査を継続する形で、実演家や指導者などにインタビュー等を実施することができた。 一方、民謡や長唄、箏曲、謡曲等の歌唱について、稽古を受けている子どもの音声データの収集を予定していたが、依頼する協力者との調整が遅れ、年度内の収録ができなかった。また、研究代表者の所属が変わったりするなど、当初予期していないことが発生したため、フィールドワークやインタビュー等の調査や学会での情報収集を予定していたが、日程等の調整ができず、情報収集が予定通り進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
民謡以外の長唄や箏曲、謡曲等の伝統的な歌唱についても、今後、歌唱音源の収集を行う。また、収録した音源について、スペクトログラムやピッチ解析など詳細な分析を行い、学会等での口頭発表や論文等の執筆を行う。さらには、小・中学生や高等学校の生徒に対する民謡等の指導の実態を調査するため、昨年度に引き続き、富山県の五箇山地方における民謡指導についてフィールドワークやインタビュー等を実施する。加えて、長唄、地歌箏曲、能楽の実演家を対象にインタビュー調査を行い、実演家が初学者に求める歌唱技能について情報収集を行う。 その上で、教材(楽曲)の開発を行い、収録した音源を範唱として活用し、小・中学校での歌唱指導実践を広く実施し、その効果的な活用法について、使用する範唱音源の音域や速度、伴奏等が適切かどうか、一緒に用いる楽譜や指導方法についても検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の所属が変わったため、研究計画通りに実施することが困難であった。また、実施予定であった調査や学会への出張が不可能になり、出張旅費等が使用できなかった。 前年度未使用分については、データ収集や成果発表等のための旅費等として使用する予定である。
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