研究課題/領域番号 |
17K04857
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教師の熟練性 / めあての6要件 / ふりかえりの6要件 |
研究実績の概要 |
コロナ禍の中で十分な研究活動ができない部分があった。とくに学校現場における授業の参観、インタビュー活動はほぼ難しい状況であった。事例研究という手法をとり、事例数を重ねていくことで、仮説の妥当性、信頼性を高めていく予定であったが、事例数を重ねることが今年度は困難だった。その中で、熟練教師の熟練性の研究として、めあての6要件に引き続き、ふりかえりの6要件について明らかにし、提案を行った。またその6要件にもとづき、現職教員に依頼し、実践を施行し、検証を行った。 めあての6要件については、熟練教師の目標構造の多層化とほぼ対応している。ただし、人間教育の目標については、指導案に記載され、板書に具体化されるめあてとしては具体化されない。暗黙知的に機能していると考えられる。振り返りの6要件として、①ふりかえりの実施、②観点に基づいたふりかえり、③授業の学び直しとしてのふりかえり、④次時につながるふりかえり、⑤学習のメタ認知としてのふりかえり、⑥学習の実感としてのふりかえりを挙げた。①から⑥への発展、つまり6要件を満たしていく過程は、めあてと同じ熟練性の獲得と関連していると思われる。 今後は目標構造の多層化をふりかえりの6要件と関連させ、モデル化していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の問題で、学校への参入ができなかった点が大きい。事例研究については、仮説を検証するためにも、事例研究の数を重ねる必要があるが、研究の遂行が困難であった。しかしながら、一方、学校の事例については、何人かの現場教師の協力を得て、教師自身が実践的な検証をし、報告をしてもらうという形で進めることができた。この研究のスタイルであれば、筆者が直接現場に参入しなくても、検証を進めることができることが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による学校現場への直接参入というアプローチがとれない中、既述のように、協力してもらえる現場教師による実践、検証、また当該教師へのライフヒストリーインタビューという形態で研究を進めていきたい。またコロナ禍が落ち着きある程度現場への参入が可能になった時点で授業参観も行っていきたい。 一方、授業におけるめあて、ふりかえりと目標構造の多層化との関連、明示化された目標と暗黙的な目標との関係のモデルを作成し、そのモデルに従った仮説形成と検証を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によって学校現場への参入が厳しく制限され、授業参観およびインタビューができなかった。インタビュー等の謝金を予定していたが、支出ができなかった。また学会参加、報告等も予定していたが、学会の中止、オンライン化により出張旅費等も使用できなかった。 今年度は、コロナ禍が継続する場合においても、協力者としての教師の授業報告、またインタビュー等を予定しており、知識供与についての謝金、インタビューデータ等の記録起こし等にかかわる謝金等の支出を予定している。前年度できなかった事例についてもこのやり方で実施し、事例数を重ねたい。
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