本研究では、消費者市民教育の一つの視点として、コンシューマー・リーガルリテラシーに焦点を当て「道徳」カリキュラムの開発を目指した。平成31年度は、前年度のオーストラリア・パースの学校訪問調査をまとめ、「消費者市民を育むオーストラリアの学校教育」の論文を日本消費者教育学会の学会誌に投稿した。3月にドイツの学校や関連の施設を訪問した。10月に札幌で開催された日本消費者教育教育学会の全国大会でその成果を発表した。「コンシューマー・リーガルリテラシ―を育むドイツの消費者教育ーエシカル消費に焦点をあててー」「地域資源と結んだ消費者教育-ドイツ・バイエルン州のLTTAによる授業実践をもとにー」「キャリアデザインと関連させた海外の消費者教育ードイツ及びオーストラリアの事例よりー」と「消費者製品安全教育の推進を図る教員向けガイドの開発」の4本報告した。 9月に開催されたシンポジウム「18歳になるキミたちへ~海外事例から考えるこれからの消費者教育~」及びパネルディスカッションにパネリストとして登壇した。加えて招待講演として、東京都消費生活センター主催の「教員のための消費者教育講座」で消費者教育の実践方法をテーマに講師を務めた。徳島県で開催された国民生活センター主催の講師養成講座でも講師を務めた。 8月に中国(杭州)で開催されたARAHE(アジア国際家政学会)に参加し、海外から参加していた教育者と意見交換を行い、2月に豪州(アデレード)の学校視察及びヒアリング調査を行った。これらの結果は次年度の学会発表及び論文投稿につなげる予定である。 以上のように、最終年度においても研究成果を着実に論文化でき、また講演会などで社会に還元することができた。
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