本研究では,子どもの自律的なインターネット使用のスキル・態度の育成に向けて,小・中学生のインターネット使用実態とそれに影響する要因を明らかにし,子どもの自律的なインターネット使用態度・スキルを育てるためのツール開発・環境づくりを進めることを目的としていた。 しかし新型コロナウイルス感染症拡大予防のため,当初の研究計画において研究協力を得る予定の行事等が中止せざるを得なくなり,予定していた研究のフィールドが得られなくなった。そこで研究方法を変更し,小学生対象の調査と大学生を対象とした回想的調査(これまでのインターネット使用歴を振り返り,使用態度や使用環境について評定してもらう)によるデータを収集し,自律的なインターネット使用のスキル・態度の形成に寄与する要因について検討を行うこととしていた。 2023年度の研究計画としては,2022年度までに収集した研究データに基づいて成果のまとめと発表を行うこととしていた。それに加え,小・中学生を対象として教育委員会が主催する,インターネット使用のスキル・態度の育成を目指す取り組みに本学の大学生・大学院生とともに参画し,取り組みの企画および実践そのものにもオンラインで参加し交流を行った。その機会を通じて,本研究課題に関連する各種実態(子どものインターネット使用実態,学校・家庭での指導実態)の把握や情報取集を行った。 研究結果は,岡山大学教師教育開発センター紀要(14巻:2024年3月29日発行)に学術論文として発表した(「大学生におけるインターネット使用態度とインターネット依存傾向 ―インターネット使用開始時期による検討―」)。
|