研究課題/領域番号 |
17K04864
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山内 規嗣 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20302359)
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研究分担者 |
児玉 真樹子 広島大学, 教育学研究科, 教授 (10513202)
木原 成一郎 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20214851)
中村 和世 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20363004)
米沢 崇 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20569222)
大後戸 一樹 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (20632821)
寺内 大輔 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60613891)
松宮 奈賀子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (70342326)
池田 吏志 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80610922)
永田 忠道 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (90312199)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 小学校教員養成 / カリキュラム開発 / 横断的カリキュラム / 学際的カリキュラム / 実践的な指導力の育成 |
研究実績の概要 |
①広島大学教育学部における現行の小学校教員養成カリキュラムの学習効果の調査分析の一環として、必修科目間における内容のつながりに対する学生の意識を調査分析した。その結果、教職科目間についての高い意識と、教育系科目・心理系科目間や教職科目・教科専門科目間についてのやや低い意識がそれぞれ確認され、今後の横断的・総合的なカリキュラム改善のための視点が指摘された。 ②各科目間連携の試行とその効果の検証として、「地域教育実践」(フレンドシップ事業)の事前指導において教職科目・教科専門科目の担当教員複数による講義を導入し、そこで理論と実践の往還的学習を図った。実践的指導力育成を軸とするこの各科目間連携について、学生の学習効果を分析した。その結果、教職・教科専門科目の講義を通じた学習内容を横断的・総合的に捉え直し、教育実践に応用するための認識を、学生が一定程度獲得していることが確認された。あわせて、今後のさらなる改善点が指摘された。 ③国内外の教育実践ならびに研究組織の視察・研究交流として、カナダのコンコルディア大学からAnita Sinner准教授を招聘し、2017年10月13日(金)に教員養成・国際研究セミナーを開催した。「小学校教員養成の特質」、「地域との連携による教員養成の強化」、「理論と実践の往還を図る教員養成ポートフォリオ」をトピックとして講演いただき、日本とカナダの比較とその背景などについて議論・交流を行った。その結果、ポートフォリオによる学生の自己認識・目的意識の深化や学習過程の具体化、地域連携による支援の重要性などといった両国の共通点ともに、制度としての教員養成課程や地域文化などにおける相違点も確認された。 以上の成果をもとに、次年度の研究ならびにカリキュラム改革実践について計画を協同策定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載のとおり、平成29年度の研究実施計画①②③のすべてにわたりほぼ予定どおり進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は以下のとおり研究を進めていく。 ①各科目間連携の実践改善とその効果の検証として、教職科目・教科専門科目のさらなる連携を試行し、結果を分析する。現在、教職科目「教育の思想と原理」と教職科目「初等カリキュラム開発論」(とくに体育科)との連携、教職科目「道徳教育指導法」と教科専門科目「初等音楽科学習指導論」との連携、教科専門科目「社会科教育法」と教科専門科目「図画工作科教育法」との連携がそれぞれ平成30年度内に予定されており、他の科目間連携についても検討中である。 ②小学校教員養成カリキュラムの構造的改善の計画立案として、連携の効果をより向上させる開講期・開講時間の調整、シラバスの修正、授業科目の新設・整理・統合などを検討し、構造化する。その成果については、カリキュラムの実際の改訂に反映される予定である。 ③附属学校における教育実習との連携とその効果の検証として、教育実習科目と教職科目・教科専門科目あるいは卒業研究科目との連携を、教育実習校の協力のもとで改善・試行し、結果を分析する。 以上の成果については適宜、専門学会において発表・論文投稿を行う。年度終了時に全体を総括し、最終年度である平成31年度の計画を策定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度については海外の大学研究者との研究交流のために旅費ならびに人件費・謝金を確保していたが、招聘したカナダ・コンコルディア大学の研究者がアジアでの国際学会大会参加とあわせて来日することになり、本科研費研究で負担する旅費等が大幅に節約できた。 今年度は、平成30年度分として請求した助成金とこの次年度使用額を合わせて、研究交流のための旅費ならびに調査研究のための人件費・謝金に充てる予定である。
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