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2017 年度 実施状況報告書

「中一ギャップ」現象と小中学校間の連携・接続に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K04868
研究機関香川大学

研究代表者

毛利 猛  香川大学, 教育学部, 教授 (50219961)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード中一ギャップ / 小中連携 / 一貫教育 / 学校文化 / 物語論
研究実績の概要

1.物語論(ナラティブ・アプローチ)の立場から、異なる「学校文化」間の移行と中学校生活への適応に関する問題について考察した。中学生は、その中学校生活の只中において始まり(入学)と終わり(卒業)を見通しており、そうした時間的展望のなかで、そのつど自分の中学校時代を筋立てている。中学生が中学生であるのは、彼らが「私の中学校時代」という物語を自分に対して語り続けているからである。この「私の中学校時代」という物語を「成長の物語」にするためには、様々な登場人物との出会いと豊かな交流、何らかの困難な課題への挑戦と「つまずき」体験のとらえ直しが必要である。生徒の一人ひとりが「私の中学校時代」という物語を生きており、このかけがえのない物語を「成長の物語」にするための視点を教育者が共有することの意義について考察し、「「私の中学校時代」という物語を生きる」という論文にまとめた。
2.香川県下のすべての小学校および中学校を対象に、小中連携、一貫教育の取り組みの現状(小中学校の連絡会、教員の異校種間交流、児童生徒の異学校種間交流)と成果、これを推進する小学校と中学校の教員の意識(成果をあげるための要件、中一ギャップの捉え方)を予備調査するための調査表を作成した。
3.高松市における小中連携、一貫教育の事例校として、施設隣接型の小中一貫教育校として過去に研究開発学校の指定を受けた直島小学校・直島中学校について、現在の取り組みの取材だけでなく、過去に勤務し、その後他の学校に移動した複数教員への取材によって、かつての小中一貫教育から「やや距離を置いた者」としての活動評価の聞き取りを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.異なる「学校文化」間の移行と中学校生活への適応に関する文献研究については、順調に進んでいる。その研究成果を物語論(ナラティブ・アプローチ)の視点から「「私の中学校時代」という物語を生きる」という論文にまとめることができた。
2.香川県下のすべての小学校および中学校を対象とする、小中連携、一貫教育の取り組みの現状と成果、これを推進する小学校と中学校の教員の意識を調査するための調査表を作成できた。
3.高松市における1部の事例校への聞き取りはできたものの、他県のフィールド地区、事例校への研究取材については十分にできなかった。
4.1~3を総合すると「おおむね順調に進展している」と評価できる。

今後の研究の推進方策

1.異なる「学校文化」間の移行と中学校生活への適応に関する文献をさらに広く精査する。
2.香川県下のすべての小学校および中学校を対象に、小中連携、一貫教育の取り組みの現状と成果、これを推進する小学校と中学校の教員の意識に関するアンケート調査を実施し、調査結果を集計する。
3.高松市における事例校への聞き取り取材、他県のフィールド地区、事例校への研究取材を継続して行う。

次年度使用額が生じた理由

県外のフィールド地区、事例校への研究取材が十分にできなかったため、研究経費のうち旅費の使用額が当初の予定より少なくなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 図書紹介 府川源一郎著『「ウサギとカメ」の読書文化史』2017

    • 著者名/発表者名
      毛利 猛
    • 雑誌名

      教育学研究

      巻: 84 ページ: 334-335

  • [図書] ナラティヴ・エデュケーションへの扉を拓く2018

    • 著者名/発表者名
      竹森元彦、伊藤裕康、毛利猛他
    • 総ページ数
      印刷中(未定)
    • 出版者
      美巧社

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公開日: 2018-12-17  

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