本研究の目的は「平和教育の再構築を目的とした平和教育教材を開発する」ことである。戦争体験者が少なくなる現在,戦争体験の継承は喫緊の教育課題である。 そこで,(1)中学校社会科の教科書において,原爆問題がどのように扱われているかを確認した。(2)広島や長崎,沖縄を調査して,平和ミュージアムが戦争体験を継承するうえで,「フォーラムとしてのミュージアム」という役割を果たしていることを確認した。(3)「負の記憶」をテーマにしたミュージアムでは過ぎ去った歴史上の出来事ではなく,来館者が当事者として学ぶことができるような展示が欠かせないことも確認した。
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