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2018 年度 実施状況報告書

知識基盤社会と部活動をつなぐ理論的枠組みの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K04875
研究機関名寄市立大学

研究代表者

関 朋昭  名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (20321367)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード部活動 / 研究方法 / つなぐ / 哲学 / 数学
研究実績の概要

今年度の研究成果としては部活動に関する研究方法を大きく二つに整理した。一つめは、知識基盤社会と部活動を「つなぐ」ということについて、ノットワーキング概念(活動理論)の援用が有効であることを示唆した。活動理論とは、人間の「活動システム」の文化・歴史的発達に関する理論であり、活動とは、環境の中の「対象(object)」、いわば目的や動機に向かっていく諸活動が連鎖し連関する構造のことである。活動とは対象へ向けられた活動のことである。知識基盤社会では、部活動の環境は複雑に入り組んでおり、部活動にかかわりをもつ組織体も多様であることから活動理論が求められる。。二つめには、部活動のあり方を研究するためには哲学的態度が不可欠であることを明らかにした。特に、部活動を研究するための構造主義に着目した。構造主義は、数学、言語学、生物学、精神分析学、文化人類学、社会学などの学問分野において広く応用され、今日までの人文・社会科学の方法論に多大な影響を与えている。構造主義はレヴィ=ストロースが創始者と言われているが、彼は文化人類学において婚姻体系の構造を「数学の群論」で説明し、その研究方法が注目されるようになった。部活動を研究するにあたって、研究方法を見誤れば、目的を達成することができず、研究方法の選択は極めて重要なことである。哲学と数学は違う学問と思われがちだが、原理を探求するという意味においては哲学と数学の間に境界線がないことは自明である。部活動を研究するためには、慣習の背景にある誤謬、偏見、臆見などをどこまで取り除く(捨象)ことができるのかが研究方法の鍵となってくる。そのためには哲学的かつ数学的方法によって、部活動の構造に目を向けた研究手法が求められていく必要性があると考える。これは哲学的態度に帰結する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題の進捗状況については、おおむね順調に進展している。その大きな理由としては、知識基盤社会から学校を俯瞰し、部活動までを見通す「つなぐ」の原理的な概念形成を明らかにできたことである。また部活動における教員負担を考える上で、教育学、体育学の視点 から部活動における仕事の問題を概観しつつ、経営学の援用より教員負担に関する理論的研究の展望を示すことができたことである。

今後の研究の推進方策

平成29年度、平成30年度の研究結果を総括しつつ、知識基盤社会と部活動をつなぐ理論的枠組みを最終的に構築する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 世の中のあらゆる「集まり」における普遍法則の発見2019

    • 著者名/発表者名
      関 朋昭
    • 雑誌名

      名寄市立大学紀要

      巻: 13 ページ: 1-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学校部活動の教員負担に関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      関 朋昭
    • 雑誌名

      しごと能力研究

      巻: 6 ページ: 28-49

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 勝利至上主義批判に対する批判2019

    • 著者名/発表者名
      関 朋昭
    • 学会等名
      日本体育・スポーツ経営学会第42回大会
  • [学会発表] 部活動への哲学的態度2019

    • 著者名/発表者名
      関朋昭
    • 学会等名
      日本部活動学会第2回大会
  • [学会発表] 知識基盤社会と部活動を「つなぐ」ということ2018

    • 著者名/発表者名
      関 朋昭
    • 学会等名
      日本高校教育学会第26回大会
  • [学会発表] Law of Organization2018

    • 著者名/発表者名
      Tomoaki Seki
    • 学会等名
      2018 KNSU International Conference and Asia-Pacific Conference on Coaching Science
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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