研究課題/領域番号 |
17K04882
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
望月 一枝 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 家庭科 / シティズンシップ教育 / 新科目 公共 / カリキュラム・マネジメント / ジェンダー平等 / アクティブ・ラーニング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、新科目「公共 」等のつながりに着目した高校家庭科シティズンシップ教育カリキュラム・マネジメントモデルを構築することである。2016年の日本学術会議、心理学・教育学委員会の「提言 18歳を市民にー市民性の涵養をめざす高等学校公民科の改革-」に続き、2017年、日本学術会議政治学委員会の「提言 高等学校新設科目「公共」にむけてー政治学からの提言-」が公表された。心理学教育学委員会からは、セクシュアリティの多様性とジェンダー平等、政治学委員会からは、グローバルな社会で「生きる」こと、「考える」こと、我が国の社会保障、ジェンダー問題やエイジング社会などを「コミュニティ参加カリキュラム」とすることなどが提言された。 本研究は、新科目「公共」との連携で18歳選挙権と市民性の涵養という観点で、第一に実践研究、第二に理論研究を実施した。 実践研究では、地歴、英語、美術、国語の授業実践記録をアクティブ・ラーニングの観点で分析し、その可能性と危機を18歳を市民にする文脈で論じた。分析対象としたどの教科も生徒が市民性を獲得するうえで重要であり、地歴の授業では、いまを相対化できる歴史認識が、英語の授業では、批判的リテラシー教育、美術の授業では生徒間の支配的で同調的な文脈をほぐす効果、国語の授業では政治的な言葉を獲得できることが明らかになった。 また、学校カリキュラム・マネジメントについて、研究協力校で、「選択的夫婦別姓を考える」家庭科の授業を校内公開し、他教科の教員や校長から批評を得た。 理論研究では、社会科のシティズンシップ教育と家庭科のシティズンシップ教育の違いを探究し、ケアを含むジェンダー平等を目指す家庭科シティズンシップ教育について、学会誌に英語論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実践研究と理論研究を並行して実施し、その成果を2本の論文と大学生や教員用のテキストの分担執筆として刊行できた。
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今後の研究の推進方策 |
家庭科教師と研究者による日常的なネットワークを構築したので、研究対象校だけでなく、 授業開発と授業研究を進める。 理論研究は、コミュニティ参加カリキュラムをCritically Engaged Learningとイタリアレッジョ・エミリアの教育思想から接近を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度物品費として予定している。
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