研究課題/領域番号 |
17K04882
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
望月 一枝 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 対話的 / 自己認識と他者認識 / 学校カリキュラム / 主体的 / 深い学び / ジェンダー |
研究実績の概要 |
第一に、授業開発研究では、小学校家庭科で自分の成長を振り返り自己認識と他者認識を深めて、他者への配慮ができる生徒を目指した。具体的には、小学校6年生が小学校1年生と一緒におやつをつくる単元の開発をした。まず、自分の成長を振り返り、目の前の低学年の児童に自分を重ねる試みをしたうえで試し調理をする。1年生と一緒に作業を進めるとき、どこで楽しんでもらうか、どこを気を付けるかを意識化し、安全で楽しい共同調理ができる対話的な授業を授業者と協議実施した。学内公開研究会で他教科の教師たちに公開し家庭科の学びの面白さと深さを研究指導者として講演することができた。高等学校の家庭科の被服の授業開発では、実技の授業の間に、実技を振り返り意識化する対話授業を開発した。公開研究会で共同研究者として、広く家庭科教師や関係者に、家庭科の本質的学びと持続可能性を論じることができた。 第二に、理論研究として家庭科と公共のつながりとして探求した。世界の市民性の教育と衣・食・住・家族の教育に関する研究動向を国際学会に参加して、グローバルな研究動向を得ることができた。 第三に、家庭科教師が学校カリキュラム改革に果たす役割をオランダの教育哲学者ガード・ビースタの主体化という概念で論じて著書にすることができた。家庭科では選択的別姓に関する生徒の生活実感を伴う主体的・対話的な深い学びができたことがホームルームの民主主義的実践と結びついて展開していることが解明された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家庭科の本質的学びが主体的・対話的な深い学びであること、それが学校カリキュラムにおいて重要であることを理論化できる準備が整った。また家庭科知恵の輪という家庭科教師が気軽に授業の悩みを交流できるサイトを立ち上げ研究交流を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
家庭科と新科目公共がどのように子どもの道徳性と市民性を育むのか、特に家庭科の本質が子どもの道徳性と市民性をどのように育むのかを国際的研究動向に位置づけた論文を作成し批評を得たい。
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次年度使用額が生じた理由 |
授業実践の談話分析のために音声を文字に起こす作業と授業空間分析のために機器が必要であったが作業が遅れたため残額が発生した。文字起こし作業のために謝金と授業空間分析のためのiPat購入に使用予定である。
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