研究課題/領域番号 |
17K04887
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 元洋 金城学院大学, 国際情報学部, 教授 (80350958)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 情報モラル / 道徳教育 / QFT(質問作り) / 主体的・対話的で深い学び / 問題解決的学習 |
研究実績の概要 |
平成30(2018)年度は,「感情的判断と合理的判断のマトリックス」「道徳教育の資質・能力のマトリックス」を開発,質問作り(QFT)を適用した授業の開発を行うことができた。成果の一部は,日本教育工学会全国大会で,「道徳教育の資質・能力を踏まえた情報モラル教育の授業を構想する段階で使用したり,授業の評価をしたりするために,「感情的判断と合理的判断のマトリックス」「道徳教育の資質・能力のマトリックス」について報告した。また,日本道徳科教育学会では,「情報モラルに関する題材を取り扱う道徳科の授業において、道徳教育としての授業目標と情報教育としての授業目標の両方を達成する授業を開発すること」を目的として,「質問作り」(Dan Rothstein and Luz Santana, 2011)を生徒に行わせる授業を実践し,報告した。 また,研究協力校の調査結果をもとに,「主体性」「目的意識」「将来を展望する力」を高めることは、自己コントロール力を高めるとともに、情報モラルを守るためのコントロール力や従来の学力を向上させる。さらに、「主体性」等を身につけさせる手立てとして「家庭での社会の動きに関する会話」を活性化することが一助となることが示唆されたことを報告した。 平成30(2018)年度の実践から,学年,校種,教材が異なっても,同じ授業方法で実施可能であることが実践から明らかとなった。ただ,児童生徒に応じて,教師側で示す情報量の調整や焦点化する質問数等について,調整をする必要があることが明らかになったため,次年度に向けて課題とすることにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力校が,小学校1校,中学校5校となり,平成30(2018)年7月以降,のべ60学級で研究授業を行っていただくことができた。当初,予定していた研究授業数より多くなったため,データの処理に時間がかかっている。 データの処理中であるが,児童生徒が,道徳科で学習した事項,情報機器やディジタルデータの特性等の知識をもとに,主体的に学習に取り組む授業が実現できることは実践によって明確になっている。令和元(2019)年度は,そのデータを分析した結果を公表する予定である。 また,質問作り(QFT)や質問駆動型学習(QDL)について,他国の研究者と情報交換しながら,研究を進める準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30(2018)年度に実施した小中学校60学級分の研究授業のデータの分析をし,学会や研究会等で発表を行う予定である。また,平成30(2018)年度の研究授業から明らかになった課題に対し,対処した授業方法や教具を開発し,さらに効果的な授業を目指して,研究を行う予定である。また,小学校での実践事例が1校のみであるため,複数校に広げていく予定である。 そして,この授業を実施するために必要な資料等について整理をし,公表していく予定である。
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