研究実績の概要 |
平成29(2017)年度から令和元(2019)年は,「感情的判断と合理的判断のマトリックス」「道徳教育の資質・能力のマトリックス」を開発,質問作り(QFT)を適用した授業の開発を行うことができた。成果の一部は,日本教育工学会全国大会で,道徳教育の資質・能力を踏まえた情報モラル教育の授業を構想する段階で使用したり,授業の評価をしたりするために,「感情的判断と合理的判断のマトリックス」「道徳教育の資質・能力のマトリックス」について報告した。また,日本道徳科教育学会では,「情報モラルに関する題材を取り扱う道徳科の授業において、道徳教育としての授業目標と情報教育としての授業目標の両方を達成する授業を開発すること」を目的として,「質問作り」(Dan Rothstein and Luz Santana, 2011)を生徒に行わせる授業を実践し,報告した。 また,研究協力校の調査結果をもとに,「主体性」「目的意識」「将来を展望する力」を高めることは、自己コントロール力を高めるとともに、情報モラルを守るためのコントロール力や従来の学力を向上させる。さらに、「主体性」等を身につけさせる手立てとして「家庭での社会の動きに関する会話」を活性化することが一助となることが示唆されたことを報告した。 平成30(2018)年度の実践から,学年,校種,教材が異なっても,同じ授業方法で実施可能であることが実践から明らかとなった。ただ,児童生徒に応じて,教師側で示す情報量の調整や焦点化する質問数等について,調整をする必要があることが明らかになったため,次年度に向けて課題とすることにした。
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