研究課題/領域番号 |
17K04896
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
大川 尚子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70369685)
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研究分担者 |
倉恒 弘彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
福田 早苗 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
水野 敬 国立研究開発法人理化学研究所, 科技ハブ産連本部, チームリーダー (60464616)
藤岡 弘季 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70382083)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 児童生徒 / 自律神経機能 / 睡眠・覚醒リズム |
研究実績の概要 |
【目的】小・中学生における疲労と睡眠の状態を調査し、健康教育に活用できる疲労と睡眠の客観的な特徴を明らかにする。 【対象】調査を希望した和歌山県A市の放課後等デイサービスの小学生29名、中学生6名、高校生7名、合計42名を対象とした。検査結果は、大阪府B市の小・中学生の結果と比較した。 【方法】問診票を用いた自覚症状調査とともに、自律神経機能評価、睡眠・覚醒リズム解析を実施し比較検討した。 【結果】放課後等デイサービスの小学生は、中・高校生と比較すると、自覚的な疲労調査や睡眠調査の結果、精神疲労度、総合疲労度、睡眠得点ともに有意に低く、自覚的には健康的に生活していることが判明した。しかし、それぞれをB市の小・中学生と比較すると、小学生は、精神疲労度、総合疲労度が有意に高値であり、中・高校生は、精神疲労度、総合疲労度、睡眠得点が有意に高値であることがわかった。自律神経機能評価では、放課後等デイサービスの小学生は、中・高校生と比較して差はみられなかったが、B市と比較すると、小学生、中・高校生ともに、自律神経活動のバランスが有意に高値であることが判明した。睡眠・覚醒リズム解析では、放課後等デイサービスの小学生は、中・高校生と比較して、覚醒時活動量が有意に高値で居眠り回数が少なかったが、B市と比較すると、小学生は覚醒時活動量が有意に低く、睡眠効率が悪く、中途覚醒回数が多く、中・高校生は覚醒時活動量が有意に低く、居眠り回数が有意に多いことが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
不登校傾向の児童生徒への調査に関しては、公的機関では調査が難しく、放課後等デイサービスに依頼し実施している。同じ地域の中学生と比較することで、不登校や体調不良に結びつく自覚症状や睡眠・自律神経機能などの客観的な指標の詳細な特徴を明らかにしたい。
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今後の研究の推進方策 |
和歌山県A市の放課後等デイサービス2教室に在籍する児童生徒に同様の調査を実施している。同じ地域の中学生と比較することで、不登校や体調不良に結びつく自覚症状や睡眠・自律神経機能などの客観的な指標の詳細な特徴を明らかにしたい。不登校の児童生徒は、日中の居眠り回数が増加することや夜間睡眠中の中途覚醒回数が増加して睡眠効率が低下すること、相対的な交感神経系の過緊張が睡眠の質の低下に結びついていることなどが判明しており、客観的な睡眠・覚醒リズム解析の結果から児童生徒の健康状態を評価していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
放課後等デイサービスの児童生徒の調査が、デイサービスの都合で春休み期間となったため、その調査にかかる経費(郵送費・解析費等)が次年度に繰り越しとなったため。
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