研究課題/領域番号 |
17K04897
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研究機関 | 神戸親和女子大学 |
研究代表者 |
金山 健一 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (80405638)
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研究分担者 |
栗原 慎二 広島大学, 教育学研究科, 教授 (80363000)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ピアサポート / 児童生徒 / 包括的学校支援 / いじめ / ネット |
研究実績の概要 |
本年度は,3年間の取組の2年度であり、ピアサポートの有効性の研究を進める上で基礎的知見を得るため、アンケート調査、インタビュー調査、海外調査を実施した。 (1)アンケート調査・・・①中学生80人を対象に、2018年、年間6回のピアサポートを実施して、効果をアンケート(学校環境適応感尺度,アセス)で測定した。その結果、学級の満足感が有意に向上し、さらに問題行動発生にも僅かながら減少傾向が見られた。ピアサポートプログラムを年間計画に位置づけることが必要であることが示唆された。 ②児童生徒1400人を対象にアンケートを実施し、ピアサポートの効果を測定した。調査協力者は、小学生650人、中学生750人である。ピアサポートを実施した学校と、実施していない学校の2群にわけて、児童生徒の日常の学校生活、精神的ストレス、ゲーム・ネット使用状況に、どのような差があるかを測定した。ピアサポートの効果は、一定レベルで確認できた。 (2)インタビュー調査・・・児童生徒13人を対象に、ピアサポートをキャンプをして集中的に実施し、半構造化面接でのインタビュー調査をした。調査協力者(参加者)は、小学生3人、中学生5人、高校生5人である。ピアサポートでは、体験型のプログラムも取り入れ、コミュニケーションを向上できる内容を実施した。トレーニングを受けている大学生によるプログラム実施は、年齢が近いためにモデリング効果があると推測された。 (3)海外調査・・・ハワイのピアサポートの実施調査を実施した。ハワイでは、ハワイの文化・風土を意識したプログラムがあり、共生・共存・多様性の精神が学校教育・地域で尊重されている。日本でも、地域の特性を生かした、プログラム開発が必要と考える。 上記の研究により、包括的な学校支援モデルにおいて、ピアサポートの重要性が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査については、アンケート調査、インタビュー調査ともに、ほぼ計画通りに実施できている。アンケート調査は一部改善をしたが、さらに調査を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
ピアサポートの有効性の確認には、学校の年間計画に基づいた定期的なピアサポートプログラムと、キャンプで実施した集中的なプログラムを検討している。研究期間の3年間で、アンケート調査を時系列で実施し変化を確認する。また、インタービュー調査では、プログラム実施におけるPre、Postだけではなく、3カ月、1年ほど経過したその後の状態を確認する、3時点~4時点の観測をして効果測定を実施する。 海外調査では、東アジア圏での教員研修プログラムにおけるピアサポートの位置づけを明らかする。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費が当初の計画と変更があったため、使用額に差が生じた。最終年度は、研究を完成させつために、旅費も執行予定である。
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