研究実績の概要 |
本研究の目的は、女子大学生のための「お金」の視点を取り入れたキャリア教育カリキュラムの開発である。 そのため、研究期間中に、米国の伝統的女子大学セブン・シスターズのうちの一校であるスミス・カレッジにおいて、同大学の起業家育成教育および金融教育の取り組みに関して、関係者らにインタビュー調査を実施した。そして、その模様をまずは報告書としてまとめた。具体的には、ヒーブロウ、R., 西尾亜希子・安東由則(安東監訳)「スミス・カレッジにおける起業家活動・金融教育の取り組み-ヒーブロウ氏へのインタビューから」武庫川女子大学教育研究所『教育研究レポート』50号、186-209頁である。その中には、家計管理や貯蓄することだけではなく、投資によってお金を増やすことの重要性や同大学内にある投資クラブの活動内容等につても触れられている。 依然として「女性は結婚すればもっぱら家計の管理と家計補助的な働き方」というイメージを持っている女子大学生は少なくない。その点についてはすでに論文に記しているため、現在、上記のインタビュー結果から得た示唆をカリキュラム開発に活かすべく、キャリア教育のカリキュラム開発に勤しんでいる。また、日本の学生だけでなく、米国のに中西部の州立大学の学生に対しても、実際に「お金」の視点を取り入れたキャリア教育を実施することにより、国内の女子学生に「お金」の視点を取り入れたキャリア教育を実施する上での新たな修正点が見えてきているため、論文にまとめつつ、現在その修正点を盛り込んだキャリア教育カリキュラムの開発にあたっている。
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