研究課題/領域番号 |
17K04906
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研究機関 | 岡崎女子短期大学 |
研究代表者 |
黒野 伸子 岡崎女子短期大学, 現代ビジネス学科, 准教授 (70515957)
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研究分担者 |
河合 晋 岡崎女子短期大学, 現代ビジネス学科, 准教授 (20560725)
大友 達也 安田女子大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (90369497)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 産学接続教育 / カリキュラム構成・開発 / 社会人基礎力 / M-GTA |
研究実績の概要 |
本研究は、学生に必要な社会人基礎力を解明し、優秀な職業人を養成するための実践教育プログラム開発を目指す実証研究である。学生の多くが就職を希望する医療機関に注目し、教育機関と医療機関を結ぶ「産学接続教育プログラム」を構築することを目的とした。以下に、平成28年度の実施状況を示す。 4段階からなる研究のうち、平成29年度では、研究Ⅰ:文献リサーチ、社会人基礎力に関する調査の実施と分析、研究Ⅱ:医療事務職に必要な社会人基礎力の解明、研究Ⅲ:学校教育と医療機関を結ぶ産学接続教育プログラムの構築と実施について着手している。研究Ⅰは、文献リサーチおよびレビューがほぼ終了し、調査を実施中である。文献リサーチでは、社会人基礎力が提唱された2006年から現在までの先行研究を分類整理し、「正課内授業型」「正課内体験型」「正課外体験型」の3タイプに類型化した。本結果を詳細にレビューした結果、産学接続教育プログラムは「正課内」に実施し、「授業型」を経て「体験型」に移行しする過程が妥当であるとの結論を得た。社会人基礎力の効果測定については、先行研究のほとんどが自己評価に依っている。結果にバイアスがかかる恐れあるため、グラウンデッドセオリーアプローチ(以下、M-GTAと記す)による分析を併せて実施することとした。社会人基礎力に関する調査は、医療機関、教育機関からのヒアリング結果をM-GTAにより分析中である。研究Ⅱは、M-GTAの分析結果を待たねばならないが、ヒューマンサービスを主とした業務であるため、コミュニケーション力、状況把握力、調整力の醸成が中心となるだろう。研究Ⅲについては、協力医療機関の選定と協力依頼を進行中である。病院、診療所、調剤薬局に依頼し、より汎用性のあるプログラム構築を進めたい。 本結果を踏まえ、平成30年度以降は、より具体性を持ったプログラムを開発し、プレ実施をしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、当初の予定通り、先行研究のレビューを終え、カリキュラムを類型化した。また、社会人基礎力のうち、どの能力要素が必要とされているか、医療機関の人事および教育担当者への聞き取り調査がほぼ完了し、M-GTAによる分析を行っているところである。本結果については、論文にまとめ、公刊した(黒野2018)
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、以下の予定で研究を進めていく予定である。 1)研究の実施:研究Ⅱ「医療事務職に必要な社会人基礎力の解明」については、M-GTAの分析結果をもとに、医療事務職員に必要な社会人基礎力を抽出する。研究Ⅲ「学校教育と医療機関を結ぶ産学接続教育プログラムの構築と実施」は、研究Ⅱの結果を踏まえ、プログラムを構築し、実施する。 2)結果の公表:平成29年度に実施した研究の結果は、本年度開催の第50回日本医学教育学会にて発表する。また、学術誌にも投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、プログラム実施のための記録用機材、作業用ノートPC、各種消耗品、データ処理のための人件費等が必要となる。また、成果発表のための学会出張旅費、参加費が必要となる。
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