研究課題/領域番号 |
17K04915
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
木村 素子 群馬大学, 共同教育学部, 准教授 (60452918)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ろう重複障害 / 知的障害特別支援学校 / 聴覚障害 / インクルーシブ教育 |
研究実績の概要 |
当初予定していた特別支援学校における授業参観による調査は、新型コロナウイルス感染拡大により、著しく制約された。そのなかにあって、県外での調査はほとんど困難であった。研究代表者の養育する幼児児童の学校園における突発的な休校・休園や登園自粛要請にも重なり、子育て中の研究者においては、研究遂行が極めて厳しい年度であったことが指摘できる。そのなかでも、11月の感染状況が比較的緩和された時期に、県内特別支援学校における調査を行うことができた。2020年度より継続的に調査を行っている児童で、参観や担任教師への聞き取り調査等から、人間関係の拡大や他者意識の発達などに変化がみられた。今後も継続的に児童の事例的検討を行い、知的障害特別支援学校におけるろう重複障害児の実態把握、支援方法、学級経営のあり方について、データを収集していく。 一方で、本科研費事業を通して蓄積した研究データをもとに、九州地区の聴覚障害教育研究大会において、ろう重複障害児研究についての講演を行い、研究の知見を教育現場に還元することができた。研究分担をしている科研費事業において得られた「交流及び共同学習」の研究知見も生かし、聾学校における単一障害児とろう重複障害児のインクルーシブな学級経営についても取り上げることができた。この研究大会に合わせて、九州地区の各聾学校におけるろう重複障害児の在籍情報、支援実態等の情報を収集することもできた。また、大会主幹校において、聾学校に在籍するろう重複障害児複数名の授業参観を行い、指導助言を行った。この点においても本事業による研究知見の教育現場への還元をする機会を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、新型コロナウイルス感染が緩和する時期が極めて間隙的であったため、長期的視野をもって調査計画を建てることが非常に困難であった。とりわけ、年度後半には、感染が子どもに拡大していったため、調査校での警戒度が高まっただけでなく、研究代表者の養育する幼児児童の学校園において、突然の休校となったり、突発的な休園や断続的な登園自粛要請があったため、調査のみならず、研究データの分析や論文執筆等の研究遂行が極めて厳しい状況にあった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、成人の新型コロナワクチン3回目接種の進展による感染拡大の抑止のほか、5歳以降の新型コロナワクチン接種も開始され、学校の調査受け入れ状況は昨年度よりは門戸が広がるように見込んでいる。県内外の聾学校、知的障害特別支援学校におけるろう重複障害児童生徒の調査を計画し、データの蓄積を試みる。国内でろう重複障害児のコンサルテーションを行っている研究者がすでに調査に入っている学校への仲介も依頼済みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により、計画した調査や学会発表等が実施できなかったため。
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