2007年に特別支援教育制度が施行し、複数の障害の重複した児童生徒にも専門性の高い教育が提供されることが標榜されたが、重複障害児の在籍状況や支援実態は統計資料もなく先行研究も十分に存在しない。本研究では、ろう重複障害児の在籍状況や支援実態を明らかにすることを目的とした。ろう重複障害児は、聾学校ではなく知的障害特別支援学校に在籍することが多いが、そのことは教育行政でも十分に把握されていなかった。聾学校教員経験者であってもろう重複障害児の複雑なニーズに合った適時な支援を行うのは難しく、仮に適切な支援が行えていても、属人的な支援には限界があり、学部をまきこんだ複数教員による支援体制構築が必要である。
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