研究課題/領域番号 |
17K04921
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
林 安紀子 東京学芸大学, 特別支援教育・教育臨床サポートセンター, 教授 (70238096)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 特別支援教育 / スクールカウンセリング / 特別支援学校 |
研究実績の概要 |
本研究の目的でもある特別支援学校のスクールカウンセリングマニュアル作成のため、他職種連携の把握やスクールカウンセラーの有無、現況の把握のために全国の高等部のある知的障害特別支援学校(714校)の養護教諭を対象に質問紙調査を郵送し、返送があった222校(回収率31.1%)の養護教諭212名を分析対象とした。知的障害特別支援学校におけるSCの配置は3割程度であることが明らかになり,特別支援学校のSCの配置はまだまだ不十分である。SCの配置されている学校について,SCの校内体制での位置づけは学校により様々であった。情報共有を中心に,教師や養護教諭と連携をしている反面,医療相談との関わりは薄く,SCの活動と医療相談は切り離して考えられている可能性が高い。学校教育相談体制について,教職員に関する課題が多く,教職員の加配や,専門性の向上が急がれていることが明らかになった。また,多職種連携について,作業療法士,言語聴覚士等の専門家を必要とする回答が目立った。生徒への心理的な支援より,教科指導や生活スキルの向上等を重点に置いている管理職が多いことが考えられる。また,SCのニーズや活用,学校教育相談体制の整備に関しては,管理職によって温度差があることが示唆された。また、スクールカウンセラーを配置している特別支援学校2校に出向き、インタビュー調査を実施し、スクールカウンセラーシステム導入の現況と課題について調査した。それに加え、現況把握・課題の整理のため、日本特殊教育学会での自主シンポジウムや、国際学会(International School Psychology Assocition , The 40th ISPA Conference)にてポスター発表を行い、様々な対象児の発達段階に応じた相談支援ニーズの把握や特別支援学校におけるスクールカウンセリングの現況について報告・検討をした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、収集した調査データの整理・分析を行い、マニュアルの作成に向けて検討を行っている。計画しているスケジュールにそって研究を継続する見通しである。
|
今後の研究の推進方策 |
・【継続】研究モデル校のスクールカウンセラー派遣の実践 ・特支学校 SC システムの導入・理解啓発の検証 ・特別支援学校のスクールカウンセリングマニュアルの作成
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)本年度中に実施予定だった実践校のスクールカウンセラー派遣が予定していたよりも少なくなったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画)次年度の派遣を行う際の旅費として使用する予定である。
|