最終年度である本年度は,前年度までの研究成果から,高等学校(発達障害のある高校生又は特別支援学校高等部生徒在籍)と外部専門機関が連携するための2つのモデルを考案し,それに基づき,各種システム・ツール開発の最終修正を行った。モデルとして,「専門家によるサービス分担モデル」と「高校生本人によるニーズ準拠型モデル」が考案され,ツール開発が行われた。開発されたツール数は15あり,その基本となるツールは,以下の構成とされた。 ・シート1:これまで利用したサービスの履歴,・シート2:小学校段階→中学校段階→高校段階と将来にわたるニーズの一覧表,・本体:シート2のニーズに基づく支援計画及び連絡・連携の実施確認表,・ワークシート・・シート2を作成するための作業空間,・教育シート:教育における特別な教育サービスの利用状況と導入,である。もう1つは「高校生本人の困り(ニーズ)」から,サービス構築を行う方法である。そのため,上記の「シート1」では,これまで利用したサービスの履歴を,「シート2」では,「小学校段階→中学校段階→高校段階と将来にわたるニーズの一覧表」を作成し,「本体」として「ニーズに基づく支援計画及び連絡・連携の実施確認表」を高校生本との作業空間とともに作成した。現実として機能させるため,自宅や高校から利用可能なサービスを提供している「エリア・データ(リソース・データ)」を添付し,困り解決のための自己解決能力の向上を図るツールである。 研究成果の一部は,日本特殊教育学会第60回大会において,発表された。 なお,米国・独国IEPにおけるコロナ禍での専門家との連携,データの「オンライン上での共有」について,令和4年度を通し,zoomによる海外動向の調査が継続して実施された。
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