研究課題/領域番号 |
17K04945
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研究機関 | 星槎大学 |
研究代表者 |
三田地 真実 星槎大学, 教育実践研究科, 教授 (10209265)
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研究分担者 |
中野 民夫 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (10631905)
井上 雅彦 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252819)
岡村 章司 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00610346)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ファシリテーション / 研修用ビデオ / 支援会議 / 模擬会議 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、教育・福祉医療の領域の専門家が集う話合う支援会議等を対象とし、話合いのプロセスを効率的に進め、かつ成果を産み出すために、「ファシリテーション」の技術が有効に機能するかを検証することである。また「効果的にファシリテーションを行える人材=ファシリテーター」をより多く育成するために、研究成果を実際の現場に広く普及することを狙いとし、ビデオ教材(※以下、動画による教材を指す)を研修用に作成することとした。 2018年度は、2017年度の調査を踏まえてシナリオを改善し、ビデオ制作会社に依頼して「ファシリテーション理解啓発のための研修用ビデオ(基礎編)を本撮影・本編集し作成した(約20分)。この本編集したビデオについて、その効果検証を行った。具体的には2017年度と同じ手続きであるが、実際に制作したビデオを視聴する前と後に参加者には模擬会議を行ってもらい、ビデオの視聴前後で会議中の行動に変化がみられるかどうかを検証した。さらに2018年度は実験群に加えて統制群を設定した。統制群は三田地が別の科研費で作成した、やはり学校教員対象の行動分析学の理解啓発ビデオを視聴し、その他の手続きは実験群と同じとした。その結果、ビデオ視聴後、ファシリテーションの技術を実際に使う行動はおおむね増加し、会議への満足度も高まる場合が多かった。 2019年度は、2018年度の結果を踏まえた検討事項として、「基礎編のみを視聴しただけで、実際に支援会議をファシリテーションすることができるかどうか」という疑問が生じているので、2019年度はその疑問を解決するための手続きについて考察を深める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度に得られた模擬会議中の会話分析を行っているところである。実験群と統制群の会話には違いがあるのかどうか、あるとしたらどのような点が異なるのかということを検証する予定である。2019年度は、2018年度の結果を踏まえた検討事項として、「基礎編のみを視聴しただけで、実際に支援会議をファシリテーションすることができるかどうか」という疑問が生じているので、特に動画を見た直後に教員が抱くであろう素朴な疑問を基に「実践編」の動画を作成する予定である。さらに2018年度に得られたデータの精査を行う。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度中にファシリテーション理解啓発研修ビデオ(実践編)の大方のコンテンツを整理し、仮ビデオの撮影、効果の検証まで進めてきているので、それを基に「実践編」のシナリオを作成し、本撮影を行う。実践編の柱としては、1)司会の役をよく行う教員が具体的にどのように会議の準備をすればよいのかという準備に重きを置いた内容、2)司会の役はまだ行うほどではない新任教員の立場で行えるファシリテーションとはどのようなものがあるのか、具体的なスキルを示す内容、3)かなりベテランの教員が参加者の合意形成をもたらすファシリテーションについて理解を深める内容の3つを考えている。 いずれの内容も現場で実際に使ってもらえる方法を具体的に示す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画当初の予算執行が遅れ、購入予定であった物品・書籍などを次年度購入分に計画変更したため。
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