研究課題/領域番号 |
17K04947
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
沢 哲司 北里大学, 医療系研究科, 講師 (80756768)
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研究分担者 |
生地 新 北里大学, 医療系研究科, 教授 (20185177)
松浦 直己 三重大学, 教育学部, 教授 (20452518)
成本 忠正 東京福祉大学, 心理学部, 准教授 (60434560)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 臨床心理学 / 発達障害 / 発達検査 / fNIRS |
研究実績の概要 |
研究開始当初の計画では、いくつかのテストバッテリーと生理的信号であるfNIRS(functional near-infrared spectroscopy)を組み合わせて、被験者の検査実施中の前頭葉各部位の働きや関係を評価することを計画していた。その中で、fNIRSは、赤外線の照射の原理で拘束性も低く従来は安全と考えられていたが、頭部に装着することから新型コロナウィルス流行下では感染防止の観点から計画を次①~③のように変更した。 ①fNIRSを装着して実施する認知心理学的心理検査は、実施時間の短縮と密を回避する観点から、単独で実施可能なPC版IGT(Iowa Gambling Task)のみの実施とした。 ②新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、被験者にとって不要不急の外出になるコントロール(健常)群への実施を中止し、臨床群の中でも直接来所して心理支援を必要とする者のみを対象者とした。 ③臨床群の中で効果的な「褒め方」や療育モデルの効果を測定するため、臨床群を介入別に分類し、親ガイダンス群、薬物療法群と非介入群(検査のみ)の3群分けて、180日後(±30日)に再度PC版IGT(Iowa Gambling Task)を実施し、反応の違いを分析することとした。 最終年度とその前年は、感染防止の政府方針が想定より強かったことや流行が収束しなかったため親ガイダンス群(対面継続)2名、薬物療法群3名、非介入群3名にデータ収集がとどまった。データ数の少なさから統計的検証は不可能で事例として検討した結果、親ガイダンス実施の事例では、fNIRSで眼窩前頭皮質の近辺に特に変化が認められ、IGTやCBCLでも行動の変化が認められた。仮説を支持する事例ではあるがデータの個人差が大きいため3群の統計的比較検討を目指すことが必要で、本研究はコロナ禍でも継続可してデータを収集する方法の土台となった。
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