研究課題/領域番号 |
17K04948
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
中 徹 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (50278975)
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研究分担者 |
岡崎 大資 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (20321218)
橋口 優 群馬パース大学, 保健科学部, 助教 (60779908)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 重症心身障害 / 評価指標 |
研究実績の概要 |
我々が開発し、現在試行段階にある重症心身障害児への評価指標であるLIFEを使って、66名の重症心身障害児(2歳11か月~54歳4か月;中央値13歳7か月、脳性まひが44名、その他22名)に対して横断的評価を行った。 その結果、重症度を示すGMFCSの重症度5段階(5に向かって重症度が高くなる陰性順序指標)とLIFEスコアの相関は、生理機能評価であるLIFEⅠで-0.80(p<0.01)、運動機能評価であるLIFEⅡで-0.85(p<0.01)、感覚コミュニケーション機能評価であるLIFEⅢで-0.75(p<0.01)と高い負の相関を認めた。 また、脳性まひ児の運動機能評価であるGMFM-66スコア(運動機能が高いほど得点が高い要請間隔指標)とLIFEスコアの相関は、生理機能評価であるLIFEⅠで-0.82(p<0.01)、運動機能評価であるLIFEⅡで-0.94(p<0.01)、感覚コミュニケーション機能評価であるLIFEⅢで-0.77(p<0.01)と高い正の相関を認めた。 これらから、開発中のLIFEの基準関連妥当性が証明され、以下の結論を得るにいたった。 1.GMFCSとの負の相関を示したことから、LIFEは、脳性まひの重症度分類であるGMFCSレベルⅣ・Ⅴの重症児が主な対象になる評価指標になりうる。 2.GMFM-66との正の相関関係から、LIFEは、脳性まひの運動機能を示すGMFMでは機能の程度や特徴の表しにくい重症心身障害児・者の運動機能や生命維持機能およびコミュニケーション機能をよく捉える評価指標となりうる。 3.LIFEは、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを総合的にみることで重症心身障害児者の包括的な生活機能の評価指標となりうる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度は、評価のために使用中のwebシステムの修正にむけた調整が必要であったため、データ収集が遅れたことにより少々の遅延が生じている。 学務におけるイレギュラー対応に時間を要したため、研究エフォートが予測どおりに確保で着なかったことにより、遅延が生じている。 30年度は研究分担者に、研究作業を多くお願いする形で体制を整えることで、遅延を修正できる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
29年度まででLIFEの基準関連妥当性が検証できたので、30年度は構成概念的妥当性の検証について、症例数を増やして行なってゆく。31年度は、標準化とマニュアル作成と同時に、測定webソフトを改良し、一般に使用しやすい形態に整備する作業を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度は、システム整備にむけた調整に時間を要したため、収集データ数が少なく、費用が余剰となった。30年度は症例数を増やすために、新たに対象施設をリクルートする費用、測定謝礼金、データ管理の委託などで経費が予定に達する見込みである。
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