研究課題/領域番号 |
17K04948
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研究機関 | 群馬パース大学 |
研究代表者 |
中 徹 群馬パース大学, リハビリテーション学部, 教授 (50278975)
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研究分担者 |
岡崎 大資 群馬パース大学, 保健科学部, 准教授 (20321218)
橋口 優 群馬パース大学, 保健科学部, 講師 (60779908)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 重症心身障害 / 評価指標 / 生活機能評価 |
研究実績の概要 |
対象者が重症心身障害を伴う方々への観察と調査である研究であるため、2021年度も2020年度に続きまして協力施設におきましてもコロナ感染症の影響を受け、ほとんどデータを得ることができませんでしたので再々延長を申請することといたしました。従いまして、研究実績の概要は昨年の報告と同様となりますので、再掲いたします。 これまでに重症心身障害児の生活機能評価指標LIFEを「生命維持機能」「姿勢と運動」「機能的な活動」三領域で評価する評価指標開発し、初年度で高い信頼性の確認ができた(ICC=0.85~0.94)。二年目を経て三年目では基準関連妥当性が確認できるに至った。具体的には、重症度指標であるGMFCSとLIFEの相関は、GMFCS/LIFE PartⅠ―0.80(p〈0.01)、GMFCS/LIFE PartⅡ-0.85(p〈0.01)、GMFCS/LIFE PartⅢ-0.75(p〈0.01)、粗大運動機能指標であるGMFM-66 とLIFEの相関は、GMFM-66/LIFE PartⅠ―0.82(p〈0.01)、GMFM-66/LIFE PartⅡ-0.94(p〈0.01)、GMFM-66/LIFE PartⅢ-0.75(p〈0.01)0.77~0.94(p〈0.01)と高い相関を示し、LIFEの基準関連性の妥当性が確認された。続いて構成概念妥当性の検証を行ったところ、重症度の高いGMFCSⅣとⅤおよび活動制限の高いGMFM40以下の児では、経時的な変化をとらえやすいことがわかり、LIFEの構成概念上の妥当性が定性的に確認された。 これらの成果の一部については、第56回日本リハビリテーション医学会学術集会および第13回国際リハビリテーション医学会国際会議で報告し発た。なかでも、56回リハビリテーション医学会では指定演題の扱いとして発表が求められ、課題の重要性を再認識した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
概要部分でも申し上げましたが、2021年度も、対象者が重症心身障害を伴う方々への観察と調査である研究であるため、協力施設におきましても感染状態に接するなど、コロナ感染症の影響を受けてほとんどデータを得ることができませんでした。従いまして、この一年間の成果は昨年同様前進することができず、ほぼ停止した状態であり大きな遅れが生じております。
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今後の研究の推進方策 |
現状の許す限り、データを収集し、これまでのデータと併せてLIFEの構成概念上の妥当性を検証し、論文として発表し、臨床利用に供せる評価指標として公表することまでを行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象者が重症心身障害児である中で、構成概念上の妥当性の検証のために追加して観察と測定を行うことが求められていた。ところが、2021年度もCOVID-19感染拡大の影響を受け、追加する観察と研究が十分に行うことができなかったことが、次年度使用額が生じた理由です。感染環境下の継続で期間をもう1年再々延長していただいたので、可能な限り観察と測定、解析を行い論文投稿を進めるために費用をあてたい。
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