研究課題
本研究は、発達障害児および身体障害児のために他者とのコミュニケーションおよび身体機能向上の促進を目的とした音楽療法のためのプログラムを開発することを目的としている。2018年度は、重度の身体障がい児を対象とした音楽療法において、バリアフリー電子楽器Cymis(Cyber Musical Instruments with Score)を適用したプロセスおよび成果を予備的な事例研究としてまとめ、The 5th International Conference of the International Association for Music and Medicine IAMMにおいて発表した。その中で、バリアフリー電子楽器Cymisを対象児の特性や、療法における個々の目的に応じて適用することによって、楽曲演奏を楽しみながら、手指の動きや発語の向上が促されたことが明らかになった。今後はさらに、複数で演奏するアンサンブルを楽しむことにより、他者とのコミュニケーションを促進できるようなプログラムを考案していく予定である。
2: おおむね順調に進展している
バリアフリー電子楽器Cymisをより幅広く楽しみながら演奏できる方法、すなわち新しいインターフェースの種類や使い方を検討することにより、複数名で演奏するアンサンブルをプログラムに取り入れるための準備が進み、さらに柔軟に実践研究に適用できる可能性を高めることができたことから、おおむね順調に進捗していると考える。
複数名で演奏するアンサンブルが可能となるシステムの開発と楽譜データの作成、および音楽療法の実践におけるより良い適用方法について検討することが、今後の課題である。
2018年度はバリアフリー楽器Cymisで使用するインターフェースの開発、検討を中心として研究を進めたため、音楽療法の実践における協力やデータ解析に要する人件費および謝礼のための支出が生じなかった。
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