「システインの光学純度が金ナノクラスターの蛍光特性に影響するメカニズムの解明」と「システインの光学純度の低下による旋光度の増大現象にもとづく不正識別材料の開発とその周辺技術の開発」とについて,検討した。光学活性を有するホモシステイン,N-アセチルシステイン,システイニルグリシン,グルタチオンを用い金ナノクラスターとの反応性について検討したところ,370 nmに極大波長を持つ吸収スペクトルを与えたものは,システインだけであった。D,L-システインの混合比を変えることにより光学純度を調整し,得られる金ナノクラスターの蛍光特性についても検討したところ,ラセミ状態のとき,蛍光強度は最も小さくなった。
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