アセン前駆体の表面重合反応を用いたボトムアップ手法によりジグザグエッジを両端に持つグラフェンナノリボンを合成した。単分子の伝導度計測結果の統計的な解析から、数ナノメートル程度の分子長を示すグラフェンナノリボンは高い電気伝導度を示すことが分かった(>0.1 G0、G0= 2e^2/h)。また、分子長が数ナノメートル程度のグラフェンナノリボンについて、理論計算を行った。その結果、グラフェンナノリボンに特徴的な局在スピンの相互作用により単分子の電気伝導度が変化すること、そして、グラフェンナノリボンの長さに応じて、局在スピンの相互作用の大きさが変化するため、電気伝導度が変調されることを明らかにした。
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