研究課題/領域番号 |
17K04973
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
桑原 穣 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (60347002)
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研究分担者 |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10151648)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ナノ材料 / ナノ触媒 |
研究実績の概要 |
(1) 二酸化炭素還元反応に適したナノ触媒のライブラリ化: 触媒効率の向上が確認されたレニウム錯体分子群に加えて、鉄錯体を反応中心とした分子群を分子設計し、合成した。組織化部位であるグルタミド誘導体の分子構造も新らたに設計し、新規誘導体を合成した。 (2) 自己組織化した集積構造の解析と制御技術の確立: 鉄錯体を導入した系に合わせて合成したグルタミド誘導体群、および新らたに設計したグルタミド誘導体群について、パラメーターを変化させながら、マクロスケールの状態変化およびミクロスケールでの高次配向集積構造を解析した。鉄錯体系に適用したグルタミド誘導体群について、適切な溶媒パラメーターを見出し、触媒能評価に展開した。 (3) 電気化学的二酸化炭素還元触媒能の評価と電気化学的反応機構解明: レニウム錯体系に加えて、鉄錯体系を反応中心とした分子群について触媒能評価を行なった。鉄錯体系においても、触媒能における組織化の効果を評価し、レニウム錯体系と異なる効果が得られた。 (4) 光化学的二酸化炭素還元触媒能の評価: 電気化学的触媒の結果を踏まえて、光吸収機能および触媒機能の双方をレニウム錯体としたレニウム錯体一元系について、光化学的触媒反応に適した条件を探索し、購入したキセノン光源を利用して、触媒能の評価を実施した。特に濃度パラメーターを変化させて、反応効率向上の効果について比較検討した。再現性を含めた、効率向上の効果について、触媒能の評価を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 二酸化炭素還元反応に適したナノ触媒のライブラリ化、および(2) 自己組織化した集積構造の解析と制御技術の確立、(3) 電気化学的二酸化炭素還元触媒能の評価と電気化学的反応機構解明、(4) 光化学的二酸化炭素還元触媒能の評価の各項目において、計画した検討・評価が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
電気化学的二酸化炭素還元触媒能の評価に加えて、光化学的二酸化炭素還元触媒能の評価を進め、必要に応じて、二酸化炭素還元反応に適したナノ触媒のライブラリ化、および自己組織化した集積構造の解析と制御技術の確立の研究項目を実施する。二酸化炭素還元触媒能の高効率化に注力し、これまでの成果・知見を踏まえて、触媒能の効率向上を探求する。また、高濃度二酸化炭素環境下での触媒能評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品(試薬及び反応雰囲気ガス)が効率良く消費できたため。これにより、使用計画の遂行に支障は生じない。
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