研究課題
Biナノ粒子の形状やサイズについての検討するために、光学研磨したSi基板上に作成したBiナノ粒子の斜入射小角X線散乱(GISAXS)測定を、高エネ研の放射光施設PFで行った。その結果、特徴的なGISAXSパターンを得ることができた。GISAXS解析を行うには、粒子の形状、粒子相関、粒子分布など、多様なモデルの中から適切なモデルを選んで、理論式を用いた非線形最小二乗法解析を行うことが必要である。これまでは、限られたモデル計算から解析者が経験から選択していた。選択の幅を飛躍的に増やし、検討漏れを防ぐために、深層学習によるモデル決定を、粒子形状分類に加えて、粒子間配置などに対しても試みた。粒子形状分類ではGISAXSパターンに全体を対象とすることが有効であったが、粒子間配置などに関しては局所的な領域での解析が有効であった。これは、粒子形状がGISAXSパターンの全体像は主要因であるのに対し、粒子間配置などは局所的なパターン変化として現れることが関係していると分析している。深層学習では、人間が検討できるシミュレーションの何桁も多いデータで学習を行うので、モデル決定の信頼度は飛躍的に向上したと考えている。階層性元素の特徴を明確にするために、Teの基本構造である3回螺旋鎖の局所構造について検討した。そのために、カーボンナノチューブにTe元素を包摂して、孤立Te鎖のX線吸収微細構造測定を行った。X線吸収端近傍のスペクトルと鎖間相互作用に由来するピークの解析から、孤立鎖が生成されていることを確認した。この孤立鎖は鎖間相互作用の消失により、共有結合が強くなっていることを、共有結合の短縮化とアインシュタイン温度の上昇により明らかにした。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件)
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