研究課題
基盤研究(C)
ナノ材料の電気伝導現象は、これまでこれまで量子力学に基づいて解析されてきた。本研究では、量子力学の上位理論である場の量子論に基づいて提案された局所的なコンダクタンスやスピン渦密度の観点から研究を行った。局所的なコンダクタンスが大域的に考えたときはLandauer 公式の結果と一致することをベンゼンジチオールやグラフェンを例として示した。また局所的なスピンの記述において、スピン渦密度と電流密度の間には線形関係があることを理論的に提案し、数値計算から実証した。
量子理論
本研究の局所量を用いた解析手法では、分子内の特定の官能基、特定の原子の効果や、固体内の特定の空孔や不純物がナノ材料全体の物性値へと与える効果を定量的に珪砂することができる。これまではAという分子と一部の官能基を異なる官能基に置換したA'という分子を計算して物性値の違いから比較して間接的にその効果をみるということしかできなかったが、材料のどの部分がどのような効果を持つのか定量的に調べられる道具立てを手に入れたことになる。