モノクロメータとイメージ形成用球面収差補正装置を用いた高分解能ローレンツ電子顕微鏡法の開発を行った。この方法ではローレンツ電子顕微鏡像の情報限界が0.6 nmまで向上し、試料に磁場がかからない状態で0.62 nm周期の格子縞が観察された。この方法を用いて希土類金属ジスプロシウム(Dy)の磁気構造を観察した結果、1.4 nm離れた反転する磁気モーメントを分離して実空間観察することができた。さらに、無磁場下において存在する磁気ソリトンおよび磁場誘起ナノスケール磁気相分離を実空間観察することに成功した。
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