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2017 年度 実施状況報告書

流動場分離法に立脚したナノセルロースの長さ・形状評価手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K04997
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

加藤 晴久  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10462839)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードFFF / SEM / TEM / STEM / ナノセルロース
研究実績の概要

ナノセルロース等異方性ナノ材料の評価を散乱法や顕微鏡法で精確評価するためには、前段に分級法を用い、ある程度の長さならびに形状を整える必要がある。長さ・形状分布が散乱法における評価精度や顕微法評価におけるアンサンブル評価への影響を与えることは明快であり、一方でナノセルロースはサイズ範囲が広いことからサイズ排除クロマトではその広いサイズ範囲を網羅した分級を行うことはできない。またナノセルロースは粉体状態においては凝集が強く、これを可能な限り分散するための手法を検討する必要がある。
本年度は上記課題を解決するために、まず異なる合成法により調製されたナノセルロースの水中分散法の開発を主に実施した。適切な分散剤の探索(中性・カチオン性・アニオン性・電解質系)を実施し、さらに分散法としては親水化処理をはじめとする前処理ならびに、超音波法や高圧ホモジナイザー法を用いた分散手法による分散評価を実施し、ナノセルロースの分散性や分散安定性がこれらのマトリクス的な影響で大きく変動することを見出した。
さらに分散試料に関し、その長さ・サイズ分級を流れ流動場分離法を用いた分級方法・条件の確立を実施した。流出液における適切な分散剤や基底材料の選択と分級に係る流れ条件の探索を実施し、分散されたナノセルロースがある程度の範囲で分級を実施することが可能であることを確認した。簡易的に電子顕微鏡評価を実施したところ、分級されたナノ材料はCNTと同様にバンドルのような構造を取って居る一方、長さが短くなるにつれ単一鎖として分散されており、鎖の長さが長いケースにおいてはバンドル形状を取って居り、見かけの太さが大きくなって居ることを観測した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初目的としていた、ナノセルロースの最適分散法や分散剤の選択、ならびに、分散されたナノセルロース試料の長さ分級に係る方法論や分散条件の最適化などを達成し、後続の検討に関する基盤研究を達成したため。

今後の研究の推進方策

昨年度達成したナノセルロースの最適分散法や分散剤の選択をもとに、種類の異なるナノセルロースの分散を試み、分散されたナノセルロース試料の流動場分離法に夜長さ分級に係る適用性の検討をするとともに、その長さや形状評価手法についての検討を実施する。

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定であったナノセルロースの納期が想定以上に必要とされることがわかった。このため、今年度に評価材料の購入を実施する予定である。一方で、当問題により研究計画に遅れが生じて居ないことを付記する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ナノ粒子の計測とリスク評価2017

    • 著者名/発表者名
      加藤 晴久
    • 学会等名
      第18回ナノテク高機能テキスタイル基盤技術研究会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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