| 研究課題/領域番号 |
17K05000
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| 研究機関 | 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室) |
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研究代表者 |
龍 直哉 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究主任 (90743641)
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| 研究分担者 |
伊原 博隆 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 特任教授 (10151648)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 円二色性 / 円偏光ルミネッセンス / キラリティ / 希土類 / シリカ / ゾル-ゲル |
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| 研究実績の概要 |
本年度前半は、「グルタミン酸から誘導したアニオン性両親媒性化合物の集合体」をテンプレートとして作製したナノシリカに希土類イオンをドープし、そのキラル光学特性について評価した。頭部基にカルボン酸を有する両親媒性化合物集合体をテンプレートとする場合、3-アミノプロピルトリエトキシシランと共にオルトケイ酸テトラエチルのゾル-ゲル重合を行うことによりナノシリカを得ることができた。これにテルビウムイオンをドープすると、テルビウムイオン特有の緑色蛍光が見られ、またその吸収波長域に円二色性シグナルが現れた。この結果より、アニオン性両親媒性化合物をテンプレートとして調製したキラルシリカでも、これまでのカチオン性テンプレートと同様に、ドープした希土類イオンにキラリティを誘起できることがわかった。
ここまでの結果より、もっとも再現性よく強い円二色性シグナルを示した系は、カチオン性ジェミニ型界面活性剤をテンプレートとした系であった。そこで、このジェミニ型界面活性剤を基に作製したテルビウムドープヘリカルシリカの円偏光ルミネッセンススペクトルを測定した結果、右巻きおよび左巻きのヘリカルシリカ間で鏡像関係にあるシグナルが545nm付近に得られた（glum=|0.001|）。エネルギー分散型Ｘ線分析の結果より、この系では酸化テルビウムのようなナノ粒子は生成しておらず、また励起スペクトル測定の結果より、テルビウムドープヘリカルシリカからの蛍光はテルビウムイオン由来であることが示唆された。本系の蛍光、円二色性シグナルおよび円偏光ルミネッセンスは、配位したキラルシリカよりキラリティが誘起されたテルビウムイオンによるものと考えられる。
このようなキラルな無機固体により無機イオンにキラリティを誘起した例は珍しく、本研究により見いだされた成果が新たなキラル光学材料の設計・開発に寄与するものと期待している。
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