研究課題/領域番号 |
17K05006
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
王 胖胖 九州大学, 分子システムデバイス国際リーダー教育センター, 助教 (50592010)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 表面プラズモン共鳴 / 光誘起力 / 原子間力顕微鏡 / ナノインデンテーション / ナノ粒子自立膜 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、プラズモン共鳴という入射光と物質の相互作用現象による発生した微弱な力を測定することを目的とする。プラズモン共鳴による発生した力はすごく弱くて測定は非常に困難であった。これまで力の理論計算の結果があったが、実験で測定することは報告例がわずかだ。本研究は原子間力顕微鏡(弱い力の測定が可能)を用いて、プラズモン共鳴による発生した力を測定する。プラズモン共鳴特性を持ち金属ナノ材料をモデルとして使う。初年度の研究実績は下記にまとめている。 (1)金属ナノ粒子の自立膜作製法を検討した。直径数ナノメートルの金属ナノ粒子の有機溶媒分散液の1滴を数マイクロリトルの水滴の上に乗せて、有機溶媒がすぐに蒸発し、ナノ粒子が水面上に膜を形成した。膜が単層であることを電子顕微鏡などの分析手法で確認した。この手法を使えば、自立膜を穴の上に載せることもできる。 (2)ソフトな基板上に金属ナノ粒子の機械強度を測定した。機械強度調整可能なポリマー基板上に金属ナノ粒子の単層および積層膜を作製して、原子間力顕微鏡を用いて、機械強度と層数の関連性を出してみた。その結果、基板の強度を最適化すれば、数ナノメートルの膜の硬さも測定できることを確認した。 (3)金属ナノ粒子表面の有機分子を置換することで、粒子膜の機械強度を向上できた。金属ナノ粒子は有機溶媒に分散するため、表面に有機分子が被覆されている。その有機分子は粒子膜になった後にも置換できることが確認した。この手法を用いて、粒子膜の機械強度または強さを自由に調整することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)ナノ粒子の自立膜の作製方法できましたが、大面積に形成することはまた問題になっている。これから有機溶媒の調整などを詳しく調べ、大面積かつ均一な単層膜を作製するまで研究を行う。 (2)ナノインデンテーション法による薄膜材料の硬さを調査するため、普段膜圧が押す距離より10倍以上が必要だが、本研究は押す距離が数百ナノメートルに対して、膜圧は数十ナノメートルだけだ。 (3)ナノ粒子表面の有機分子置換を用いることで、粒子膜の機械特性制御ができたが、利用した分子は簡単な分子のみでしたが、これからより複雑な分子を利用することで、さらに面白い現象が見つけるだと思う。 しかし、プラズモン共鳴誘起光導入システムが難しくて、装置メーカーにも何度相談して、設計の問題は2年目に解決できると思う。さらに、真空原子間力顕微鏡も利用できるよになって、空気中の水分などの影響を避けることもできるようになった。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)プラズモン共鳴誘起力の理論の理解を深くする。理論から実験の方向性を調整する可能性もある。 (2)プラズモン共鳴を励起するための反射ミラー道具の設計を急いで行う。こちらは、光学が詳しい専門家に相談して設計する。 (3)原子間力顕微鏡を用いてフォース測定の結果の解析手法をさらに深く理解する必要がある。本研究の測定対象である力gが微弱のため、大面積で測定してから、細かく解析が必要である。
|