本研究課題は、光と物質の相互作用であるプラズモン共鳴による材料内部に発生した微弱な力そ定量的に測定することを目的とする。プラズモン共鳴現象を起こる代表的な材料は貴金属のナノ構造である。昨年度まで、銀、金のナノ粒子で構成した2次元ナノ粒子自立膜(またはシート)と基板上に成膜した場合の力学特性を定量的測定に成功した。令和1年度の研究実績は下記にまとめている。(1)自立膜の力学モデルを考案した:従来の力学モデルを用いてこれまで得た金属ナノ粒子自立膜の力-変形曲線のあてはめは大きな差が生じた。従来の力学モデルは1次項と3次項で構成された。そのモデルに、2次項の導入により、曲線あてはめの差は非常に小さくなった。その2次項の物理的な理解も研究した。(2)液中での力-変形曲線の測定に成功した:これまで大気中の力学測定を行った。しかし、大気中の水分は力の発生するナノスケールの領域に凝集して、正確な接触面積の算出は困難である。1つの解決方法は真空中の測定である。もう1つは液体中での測定もある。今年度は水中での測定を集中して行った。(3)光照射を力学測定システムに導入した:光照射前後の力学測定を行った。光照射による発生した力学特性変化の結果解析は現在進行中である。
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