研究課題
本研究は、広範な帯域の波長に利用でき、かつ大きな焦電係数を持つ新規熱型赤外線センサ材料焦電体を開発し、赤外線センサの超小型化・高感度化を実現することを目的とする。その目的を実現するために、(1-x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-xPbTiO3 ((1-x)PMN-xPT)リラクサー強誘電体を対象として研究開発を行った。x=0~0.4組成範囲のPMNーPTセラミックスを作製し、焦電センサーを機能するための分極処理の条件や焦電係数、誘電率、誘電損失、熱容量及びその温度変化を明らかにした。誘電率の温度変化よりTcを決定し、PMN-xPTセラミックスは焦電材料として利用される際に使用可能な温度範囲を解明した。それらの結果から焦電センサーの基本性能指数である電流性能指数Fi、 電圧性能指数Fvと検知性能指数Fdと組成の関係も明らかにした。室温において、全組成のPMN-PTセラミックスの電流性能指数はPLZTセラミックスのそれより大きく、最大値(102nC・cm/K)はPLZTセラミックスの値の7倍も超えた。また、電圧性能指数Fv及び検知性能指数Fdにおいても、PMN-PTセラミックスはPLZTセラミックスより約2倍の大きな値を示している。温度特性については、PMN-PT焦電セラミックスが400Kまで利用可能であることも判明した。それらの結果から、PMNーPTセラミックスが新規な焦電セラミックスセンサー材料として期待できると思われる。
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npj 2D Materials and Applications
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Phys. Rev. B
Journal of Magnetism and Magnetic Materials
巻: 486 ページ: 165265-1~7
https://doi.org/10.1016/j.jmmm.2019.165265
https://wwp.shizuoka.ac.jp/desheng-fu/publications/