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2018 年度 実施状況報告書

半導体デバイス中の局所歪みの分光光弾性イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 17K05040
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

福澤 理行  京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 准教授 (60293990)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード残留歪み / 光弾性法 / 結晶評価
研究実績の概要

本研究の目的は、光弾性法を用いて、半導体デバイス中の局所歪み場を選択的かつ高感度にイメージングすることにある。デバイス特性劣化やダイ破損を防ぐため、デバイスの局所歪み低減は重要だが、ダイシングやスクライピングによって緩和する前の評価はこれまでできなかった。解決すべき課題は、(1) 材料やデバイス毎に異なる最適光源波長の選定と、(2) 歪み誘起複屈折の選択的イメージング、の2点であり、本研究では、走査型分光偏光計(scanning spectropolarimeter;SSP)を新たに構築することによって、これらの課題を解決する。
平成30年度は、SSPの開発を継続すると共に、局所歪み場の定量的評価に不可欠な光弾性定数の実測に注力した。SSPの主要部については、(1)マルチバンド光源および(2)楕円偏光補償光学系の構築がほぼ完了した。(3)光源変調や偏光子・検光子回転、走査ステージ駆動を担う制御専用プロセッサ(組み込みLinux)用ソフトウェアについては、要素機能の開発と動作確認が完了した。(4)複屈折マッピング機能を担うホストPC用ソフトウェアは(3)との連携部分のみ開発が完了した。
光弾性定数の実測については、昨年度に開発した複屈折マッピング機能をベースに既存偏光計用ソフトウェアを構築することでSSPの開発とは切り離して実施できた。SiC, GaN結晶の短冊試料をターゲットとして、異なる外力印加状態での複屈折マップを多数取得することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

走査型分光偏光計(SSP)は、光源構造の変更に伴って当初計画より開発が遅れている。GaAs, mc-Si, SiC基板の多波長での探索的評価や局所歪みイメージングは未完了で、評価結果の対外発表にも至っていない。一方で、光弾性定数の実測については、SSPの進捗とは切り離して実施するよう工夫したため、複屈折マップを当初計画通りのスケジュールで取得できた。以上を総合して、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

研究計画調書に記載の通り、今後は、光源波長の最適化探索、各種デバイス構造中の局所歪みイメージングと、局所歪み場の選択的抽出アルゴリズムの開発、に注力する。
次年度が最終年度であることを鑑み、開発中のSSPだけでなく既存の複屈折計も併用する等の工夫により、光源波長の最適化探索と、局所歪みイメージングを平行実施していきたい。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた主な理由は、局所歪みイメージング実験より、光弾性定数の実測を先行して実施したことによる。局所歪みイメージング実験には、個々のサンプルに適した治具やホルダーの部品が都度必要となるが、基板メーカ等からご提供頂くサンプルの仕様が一部未定のため、今年度は部品購入を見送った。次年度使用額は、主として局所歪みイメージング実験の部品費として使用する。
また、結晶基板やデバイスのサンプル提供を適切な時期に受けられない場合は、研究計画の通り、少数の市販品を購入して評価する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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