研究課題/領域番号 |
17K05044
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
上田 修 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 客員教授 (50418076)
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研究分担者 |
富永 依里子 広島大学, 先端物質科学研究科, 講師 (40634936)
塩島 謙次 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (70432151)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | テラヘルツ波 / 光伝導 / アンテナ / 混晶半導体 / InGaAs / GaAsBi / 欠陥 / 透過電子顕微鏡 |
研究実績の概要 |
令和元年度は、研究計画に沿って研究を進め、以下の成果が得られた。 (1)まず、低温MBE成長InGaAs結晶を高温熱処理した場合には、i)アンドープInGaAsでは、5-15 nm径のAs析出物が形成される、ii)析出物は界面に多く形成され、表面に行くにつれて急激に減少する、iii)Beドープ試料では、析出物は全く形成されない、iv)析出物は転位線上にも形成されないことを明らかにした。また、低温MBE成長した新奇GaAsBi結晶を熱処理した場合には、a)InGaAsの場合と同様に析出物が基板とエピ層との界面からエピ層中に形成され、b)析出物は10-20 nm径でBiが検出されることを明らかにした(上田)。 (2)GaAsBi結晶内のBi原子の均一な取り込みを、MBE成長条件のAs分子線量を制御することで実現した。基板温度180℃及び250℃でアモルファスおよび単結晶GaAsBiがそれぞれ得られ、Bi原子が均一に取り込まれていることをXRDとRBSにより確認した。また、これらの試料に対して600℃で、水素雰囲気中で熱処理を行った結果、XRD及びRBSにより、熱処理によるBi原子の表面偏析を確認した。分担者(富永)や他のグループの過去の結果から、350-400℃で成長したGaAsBiは約800℃まで熱的に安定であることが明らかにされている。低温成長GaAsBi中にはGa空孔などの点欠陥が多数存在し、それを介したBi原子の拡散が熱処理により促進されると考えられる(富永)。 (3)電気回路の工夫により試料に-300 Vまでに電圧を印加しながら測定が行えるよう装置系の改善を実現した。さらに、光学系の工夫により測定速度を2倍にする改良も行い、測定の効率化を図った。MEB成長AlGaAs/GaAs pin接合ダイオードの評価を行い、キャリア輸送が横方向に分布をもつことを明らかにした(塩島)。
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