分子を電極に固着しない「分子の移動を伴う素子」について研究するため、我々は、Si(111)-7×7構造をテンプレートとして、高濃度リンドープによる表面構造の変化とシリコン表面上における原子・分子共吸着時の挙動について調査した。高濃度リンドープ処理を行った試料を超高真空中で加熱すると、リン原子が一部埋め込まれた清浄表面構造とリンによって被覆されている領域が混在して観察されることが分かった。また、電極構造をパターニングした高濃度ドープ試料の作製を試み、酸化レートが非常に高速化することが分かった。この他、理論計算による分子の移動過程の解明、グラフェン試料への金属・分子共吸着実験が継続している。
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