二次元層状物質であるMoS2は,新奇物性を示す次世代電子材料として注目されている。一方、実用化に向けては単層膜の形成が困難という問題がある。本研究ではMoS2に代表される遷移金属カルコゲナイドのエッチングおよび層数制御に、低損傷・低温で表面反応を促進するガスクラスタービームを初めて用いた。真空一貫でのX線光電子分光法による評価から,GCIB照射により室温でMoOxを表面に形成可能であることが分かった。原子間力顕微鏡による同一MoS2小片の観察から,高揮発性のMoOxをGCIB照射によって形成・除去することによりMoS2の原子層レベルでのエッチングの可能性を見いだした。
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