研究実績の概要 |
1.クライオスタット内に取り付けてあるシリコン温度計の動作が不安定であったため,修理・交換した.購入したMetalシール(金箔)はクライオスタットの液体ヘリウムポット部のシールに使用するためのものである.修理完了後,動作を確認した.あわせて,試料面に入射する電子ビーム電流をモニターできるように電極を追加するなど装置の改良を行った. 2.2018年6月にジュネーブで開催された欧州真空会議(EVC-15)にて,以下の発表を行った.K. Kawahara, Y. Inana, T. Ohtaki, A. Hirai, K. Yamakawa, and I. Arakawa, "Measurement of the adsorption isotherms and the mean residence time of hydrogen and deuterium physisorbed on a cold copper surface" 3.以下の論文を発表した.河原幸太,加藤勇樹,久保田康介,山川紘一郎,荒川一郎,表面と真空 61巻 (2018) pp. 533-538,「極高真空領域における物理吸着研究装置の開発」 4.銅表面に吸着した重水素の平均滞在時間の測定を継続している.ほぼ単一の平均滞在時間で近似できる吸着密度領域と,吸着密度の変化に伴って平均滞在時間が大きく変化する領域が見いだされた.二次元凝縮など吸着状態が変化する現象が関わっていると考えられ,その解明を目指して実験を進めている. 5.上記の研究成果は2019年7月にスウェーデンのマルメで開催される国際真空会議(IVC-21)で発表する予定である.
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